第4話
もはや僕一人で全てを指揮出来る規模じゃなくなった魔王軍。
それらの全軍団の視察を行うのはかなり時間のかかる大変な仕事だった。
「どうでしたでしょうか?何か問題点などはありますか?」
「いや、個々に言ったこと以外はないかな。良く鍛え上げられていると思うよ」
マキナが魔王になってまでがゴールと言うわけではない。
むしろこれから本当の本番と言っても過言じゃない。
人類侵攻。
僕、魔族たちにはこれが残っているのだ。
ゲームのマキナ率いる魔王軍が敗北してマキナが殺されるという最悪の結末をたどることになる人類侵攻が。
魔王軍による人類侵攻。
その侵攻理由は肥沃な土地を求めてである。
魔界というやせ細った土地では作物がうまく育たず、平和な世界となったせいで戦争がなくなることで増えた人口を養えるだけの作物を育てる事ができないのだ。
だからこそ、増えた魔族たちを養うために肥沃な土地を持つ人類世界に侵攻する必要が出てくるのである。
当然楽に勝てるように僕の方でも色々と暗躍する予定ではあるけど、だからと言って勝率が100%になるわけじゃない。
少しでも勝率が上がるようにするため、軍拡は急務である。
「ありがとうございます」
僕の言葉を聞いた子が僕に頭を下げる。
「うん。これからもよろしく頼むね……僕は急いで戻ってたまりに溜まっている仕事を終わらせないと文官の子たちに怒られちゃうから!……というかかなり怒っていると思う!実際に僕に口に出して言う子はいないけどさ。ということでそれじゃあ」
「はい。ありがとうございました」
僕は挨拶もそこそこに慌てて執務室の方に戻った。
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