第23話

 ブゥーンーブゥーンブゥーン

 

 アースライト家の兵士たちが待機している一室に、大きな警報の音が鳴り響く。


『北西部の農村にてマーズレフトの軍勢を確認。第八、第十二、第十三小隊は現場に急行してください』

 

 魔法によって声の質が変化しているアルの声が響き渡る。


「よっしゃァッ!!!行くぞッ!お前らァ!次はマーズレフト共だァ!」


「「「おうッ!!!」」」


「再び叩き出せッ!」


「他の小隊どもは勝っているのに俺らは負けるなんてありえねぇよなァ!オイッ!」


「せいぜい足引っ張るんじゃねぇぞッ!」

 

 それを聞いた魔族の兵士たちが意気揚々と立ち上がり、使い古された武器を手に持って気分良く騒ぎ、意気揚々と出陣する。

 全員飛行系の魔法を使えるため、すぐに急行することが出来る。

 

 アースライト家とマーキュリー家の戦争。

 それはいつの間にかアースライト家と他の4つの公爵連合軍へと変化していた。

 それでも彼らの侵攻をすべてアースライト家はすべて防ぎぎり、優勢を保っていた。

 圧倒的なまでの脳筋集団であるアースライト家の兵士たちは他の4つの公爵家の兵士たちと比べて、練度が一回りも二周りも違かった。

 

 ■■■■■


「完璧ー」

 

 僕は映像投影魔法でアースライト公爵領のありとあらゆるところを監視しながら、侵攻してきた敵軍に絶対勝利出来る小隊たちをぶつけて、勝ち星をあげる。

 

「ふんふんふーん」

 

 この戦いのためにアースライト公爵領中に張り巡らせた自身の索敵網と敵軍の情報を集めた僕は今のところ負ける気がしなかった。

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