第24話

「オラァッ!!!俺様たちの登場だァ!」

 

 マーズレフトの特殊作戦部隊。

 何回も送った大群がすべて壊滅し、ようやく学びを得たマーズレフト公爵家が送った少数精鋭部隊。

 そんな彼らの前に三倍ほどの人数のアースライト公爵家に仕える兵士である第八、第十二、第十三小隊が立ちふさがる。


「ば、馬鹿……な」

 

「嘘だろ……?」

 

「なぜッ!?」

 

 自分の隠密行動能力に絶対の自信を持っていた彼らはあっさりと自分たちの元に敵兵が立ちふさがったことに驚愕し、呆然とする。


「ァァン!?腑抜けてんなァ!オイッ!」

 

 そんな隙を生粋の戦闘民族である魔族の中でも突出した絶対的な戦闘民族であるアースライト公爵家の兵士たちが見逃すはずもなかった。

 初手、特攻。

 呆然としている彼らの頭をかち割っていく。


「せッ、戦闘態勢ッ!?」

 

 慌ててマーズレフト公爵家の特殊作戦部隊が慌てて戦闘態勢に入り、攻撃の準備に入る。


「イイねェッ!良いねぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええ!!!」

 

 特殊作戦部隊である彼らの戦闘能力の高さは圧巻の一言であろう。

 高い剣術の技量と魔法取得。

 剣と魔法の上手い使い方に絶妙の連携を取る彼らは……アースライト家の兵士を相手にしても圧巻の実力を見せつける。


「あっぶねぇぇぇぇぇええええええええ!ひゅーッ!」

 

 髪が舞い、血が跳ねる。

 土が一個となり、地面が一個となる。

 木々は倒れ、動物たちが甲高い悲鳴を上げて逃げていく。


「はいッ!五人目ェッ!」

 

「クッ!隊長ッ!退却の許可をッ!?」


「もう無理だァッ!遅いッ!逃げれんッ!」

 

 長年連れ添った仲間が殺され、人数が減り、敵は未だ元気。

 無言で見事の連携を魅せていた彼らの動きも鈍り、叫び、連携に陰りが生じる。


「うわぁぁぁぁぁああああああああッ!?」


「ラストッ!」


「クソがァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


 最後の一人として生き残った隊長は。

 アースライト公爵家の兵士たちの一斉攻撃を容赦なく浴びせられ、無惨にも敗退した。


「はい、俺らの勝ち」


「うぇーい」

 

 最初の混乱のせいで仲間が数人やられ、特殊作戦部隊たちの完璧な連携、布陣に亀裂が入ったのが大きな痛手だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る