第14話
「おー。良い感じになったんじゃないか?」
急いで作らせたマキナの家のお城。僕が設計図から自作した自信作。
それが今、ようやく完成した。
「ふー」
びっくりするくらい低かった防衛能力を向上され、元々無骨で一切飾り気がなかったので黒を基調とし、金色で装飾するスタイリッシュでかっこいいお城にしてやった。
これならば他の家の人間をあっと言わせるようなものになっただろう。
「……なんだこれは」
「こんなもので防衛能力があるのか……?」」
「あれに任せるなど……一体何を考えて居られるのだ」
僕と同じように完成したお城を見ている多くの魔族たちが隣にマキナのいない僕を指さして口々に……僕にギリギリ聞こえるかくらいの声で不満を顕にする。
ふん。舐めるなよ。
これでも防衛能力は元のお城の防衛能力の約五倍。
脳筋どもの作るお城とは何もかもが違うんだよ。
別にデザインも魔族たちの一般的な感性からズレるものじゃない。他の家のお城のデザインも僕が作ったのようにスタイリッシュだったり、ものすごく豪華だったり。
決して無骨で、何も見る場所のないお城ではない。
この家の人間が脳筋すぎるだけなのだ。
というか、脳筋なら正面から突っ込んでこいよ。脳筋が陰湿ないじめのような真似をするなよ」
「後は内装だな」
よくわからん壺とか絵とか。
中も豪華になるように装飾を加えていくつもりである。公爵家にふさわしい家になるように。
「とりあえずはマキナに何が欲しいか聞いてみなきゃだなぁー」
僕は一生懸命自分を鍛えているマキナの方へと足を向けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます