第13話
「それで?魔王を目指すと言ってもどうやって行動を開始するの?……魔王になるための条件って何?」
僕はマキナのお仕事をこなしながら、自分の横でニコニコと僕のことをずっと何もしないで眺めているマキナへと尋ねる。
「ん?えっとね……簡単だよ。魔界に五つある公爵家の当主を殺して領地を奪えばいいの」
「領地を奪う?」
「そう。公爵家のお城に自分の家の旗を立てればいいの。ちなみに、大体の公爵家のお城は侵入者を防ぐための最大の防衛装置。」
……。
今、我が家は最大の防衛装置である屋敷が木っ端微塵になっているんだけど……?
というか、マキナの突撃を全然防げなかったよね?大丈夫なのかな……?
「私たちの屋敷は今、壊れちゃっているから、とりあえず急ピッチで作らせているよ!」
「いや、急ピッチで作るのはやめよう。ちゃんと堅牢なお城にしよう……設計に僕も噛ませろ」
「うん!わかった!そうなるように他の連中に言っておくね!」
「それで?他の公爵たち……四人はどれくらい強いんだ?」
「私に迫る強さかな。一対一なら絶対に負けない。一体二なら負けちゃうかも……そんな感じ」
「なるほど」
「みんながみんなそうで、一人を攻めたらもう二人でボコすってなっちゃっているから、完全なる膠着状態……私もなんとかしたいんだけど」
「いや、危険は橋は渡るべきじゃない。安全な立場で暴れられるタイミングまでまとう」
……武力で無理なら、絡め手で落としてしまえば良い。
「うん」
「とりあえずは領地の強化だな。お城の改造、修理もだし……領地に関してもテコ入れが必要……」
僕は杜撰な報告書、家、領地の管理体制が記された書類を見ながら呟く。
……本当にこの家には頭を痛くさせられる。
「えっとね……それで、一ヶ月に一回くらい五人の公爵全員が集まって会合を開くから、その時までにはお城を治してほしいな。次の開催地はうちの公爵家なの」
「……」
そんなオリンピックのように自国の強さを証明するためのイベントが近くにあるの?
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