第4話
5歳としての精神の僕は少女が自分の渡した回復薬を飲んで回復したことに安心し、前世に高校生として生きてきた僕は簡単に飲んだ少女を見て疑問を感じる。
ゲーム通りであるのであれば、この少女は将来魔王と呼ばれることになる少女であり……人を簡単に信じることのないと思ったんだけど……まぁ、良いか。
「ありがとう……」
傷を回復した少女は立ち上がり、僕に向けて感謝の言葉を口にする。
「えへへ……治ってくれて良かったよ!」
僕は少女の感謝の言葉を素直に受け取る。
「ふふふ。えぇ、本当に感謝しているわ……それにしても大丈夫なの?あの回復薬……かなり高いと思うんだけど」
「大丈夫だよ!誰かの命を助けるためであれば安いものだよ!」
愛していた……既に死んでしまった両親は誰にでも優しく、手を差し伸べる人だった。
5才児の僕はそんな両親のように慣れることを望んでいた。
「そう……あなたは、優しいのね」
「えへへ。ありがとう」
「お礼を言うのは私の方よ……本当に。ありがとね」
少女は僕に抱きついてくる。
「……?」
高校生として生きた僕であればひゃっほー!!!美少女のハグだァー!っと喜んだところなのだが、5才児としての感覚の強い僕は興奮したりしない。
「あなたのような人に出会えて……本当に良かったわ」
「僕もお姉さんに出会えて良かったよ」
「ふふふ、そう。そう言ってくれると嬉しいわ。じゃあ……もうそろそろ私は行くわ。ちょっとやらなきゃいけないことがあるの……」
「……あっ。そ、そうなんだ……ウン!やらなきゃいけないこと、頑張ってね!応援しているよ!」
「えぇ。……じゃあね」
「うん。バイバイ」
少女は空を飛び、僕の前から消えていった。
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