第23話 白石さんとドキドキ遊園地デート 後編

お弁当を食べ終わると、七海ちゃんはお母さんの膝の上で寝ていた。

「七海は暫く起きないから、渚、二人で色々と回ってきなさい。」

「え?…うん!母さん、ありがとう!」


白石さんは小生の手を握り

「勝君!こっちこっち!」

嬉しそうに園内を回った。


そして、園内を回っている途中で

遊園地のキャストさんがカップルの記念写真を撮ってくれるということで

写真を撮ってもらう事になった。


キャストさんが

「恋人らしく、くっついて下さい!」

と言うので、白石さんは喜んで小生の腕を組んできた。


暴力的なまでの圧迫感…

(こ…これは…!?

 如月さんも…なっちゃんも…凄かったでござるが…

 小生も男子…比べるなんておこがましいでござるが…

 次元が違うでござる~~~!!!)


「えっと…写真は終わったわけでござるから…腕は…」

「え?何?聞こえな~~~い♡」


(勝君赤くなっている~~~可愛い~~~♡

 効いてる♪効いてる♪

 折角のチャンスなんだ、私の最大の武器を使って遅れを取り戻す!!!)


歩く度に高校生とは思えないふくよかな感触が小生を刺激する…

もはやどこを歩いているのかなんて…

景色なんて全く頭に入ってこない…


「勝君!!ソフトクリーム食べようか?」

「え?ソフトクリームでござるか?食べるでござる!」


や…やっと一息つける…そう思った10分前の小生を殴ってやりたい…


「今日のお礼もあるから私が買ってくるね~」

「ありがとうでござる。」


ふぅ…小生はその間に冷静さを取り戻す。

が、想定外の事が…


「あれ?何で1個しか買わないのでござるか?

 白石さんは食べないのでござるか?」


「うん。お昼食べたばかりだから1個は無理なんだ~

 でも2~3口食べたいの♡」


嫌な予感がするでござる…


「だ・か・ら…ね♪」


「はい。どーぞ♡

 勝君…あ~~~ん♡」


「えっと…自分で…」


「はい♪あ~~~ん♡」


仕方なく、小生は軍門に下る…

その後、白石さんは小生の食べた所がバクっと食べた…食べてしまった…


「あっ…」

「ふふっ…美味しいな~、勝君の味がする♡」


「じゃあ今度は勝君の番だね♡

 あ~~~ん♡」


これは俗にいう間接キス?と言うものではござらぬか??

もう…理性が…

そんなこんなで休めると思っていたソフトクリームタイムが…

超ハードタイムとなってしまったのであった。


もはや意識朦朧の小生は…

白石さんに成すがままに引っ張られるだけの存在と化していた…


気づくと白石さんは人気の少ない所に小生を連れて行き

気づいたら、小生の顔の近くに白石さんの顔が近づいてきた。


小生は籠絡寸前でござった。


すると突然

「な…何やってるんですか!!!」

「心配して見に来てみれば…やっぱり!!!」

如月さんとなっちゃんがなぜか遊園地に来ていて、

大声をあげて止めに入ったのであった。


「ちっ…もう少しの所だったのに…

 お前等…約束が違うんじゃねぇか?」


「約束破ろうとしてるのは貴方の方です!!!」


「油断も隙もあったもんじゃない!!!

 念のために来て、ほのぼのとしてたら邪魔するつもりはなかったけど、

 昼食広場では、七海ちゃんが寝ているし…

 嫌な予感がしたから歩き回って探してたの!」


「兎に角、今回の件はご家族でお礼をと言う話だったから

 許したのに…この状況は看過できません!!」


「この時間からは私達も一緒に回ります!!」


「ちっ…七海が寝ている間だけがチャンスだったのに…」


休日は穏やかに過ごしたかったでござる…

という勝の願いも空しく、今日も波乱に満ちた休日を過ごすのであった。










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