第24話 なっちゃんのギャップ萌え大作戦

「ふむふむ…純情な男子は女の子のギャップに弱い…か…」

私は愛読している雑誌を閉じた。


なるほど…考えてみれば白石 渚はまさにこの典型的なパターン…

先週の遊園地は本当に危なかった…

ギャップによりマー君の心が一時的にとは言え、

白石 渚に鷲掴みにされた可能性があるって事か…


私、成瀬 夏美は、読者モデルのアルバイトをしている。

アルバイトの様子を見てもらう事で普段の私とは違う所を感じ取ってもらい…


「フフフッ!使えるかも!!」


・・・


翌日昼休みにて…


「マー君♪今度の日曜日私に付き合ってくれない?」

「ほにょ!?」


「ん?なんだよ?それは抜け駆けじゃねーのか?」

(白石…あんたには言われたくない…)


「そうです!デートは許しません!!」


「デートじゃないよ!

 実はね…日曜日読モのお仕事があって…

 ちょっと遠い場所で一緒に来る人もちょっとチャラい人で

 不安だからマー君にボディガードをお願いしたいの♡」


「む…それは…確かに心配でござるな…」


「それにその仕事場の近くで、有名なラーメン店があって

 一緒に来てくれたらそのラーメン店の夕飯代奢ってあげる♡」


ガタン!

「い、行くでござる!!!小生ラーメンにはちょっと煩いでござるよ?」


「うん。ラーメン特集で高評価だったから期待できると思うよ?」


「だったら…私も行きます!」

「私もだ!!!」


「だ~め!流石にそんなに大人数は連れて行けないの!

 迷惑でしょ?一人だけ。」


『『 くっ!!! 』』


・・・


当日撮影現場にて


カシャカシャカシャ!

「夏美ちゃん、ちょっと横向いて見ようか?

 いいね~!

 次はちょっと屈んでみて。

 いいよ~!」


「どう?彼氏さん?夏美ちゃんの仕事の様子は?」

「いや…彼氏ではないでござるよ!

 でも…表情が瞬間瞬間で変わって…

 凄いでござる…」


「夏美ちゃんはどんなメークも似合うし、どんな服も着こなせるし…

 雰囲気も表情も見ての通りガラッと変わって…

 本当に将来が楽しみなモデルなのよ?」


…なっちゃんのモデル姿は初めて見るでござるが…

素人の小生でも分かる位…輝いていて…

何やら別世界の人間のように感じてしまって…

あんな素敵な娘が小生の幼馴染で…毎日一緒に登校してくれて…

そう思うと何だかドキドキして…目が離せなくなってしまった…


「はい。お疲れ様でした!」

「お疲れ様でした。ありがとうございました~!」


「お待たせ~!ごめんね。マー君!」

「いや…なっちゃん…凄かったでござる…」

「やだ♡」

(フフフッ…ギャップ萌え作戦大成功かな?)


そんな会話をしていると、

一緒にモデルをしに来ていたイケメンの男性がなっちゃんに近づいてきた。


「夏美ちゃん…凄く良かったね♪

 これから時間ある?この近くに凄くお洒落なお店があるんだ。

 一緒に行かない?

 そんな子ほっといてさ♪」

 

…確かに小生に比べれば…お似合いでござるが…


「そんな子?

 変な事言うの止めてもらえます?

 マー君は私の大事な人なんです!!!」


「え?そんなデブ…」


「貴方にマー君の魅力なんて理解できるわけがないです!!!

 貴方なんかと比べ物にならない位…マー君は魅力的なんです!!!

 二度と私に話かけないで下さい!!!」


「そんな冷たい言い方しなくても良いんじゃないかな?」


イケメンモデルがなっちゃんの手を掴もうとしたが

小生が逆にイケメンモデルの手を掴んだ


「小生の事はどう言おうと勝手でござるが…

 嫌だと言っているのになっちゃんの手を掴むのは止めて頂きたいでござる!!」


「い、イタタタ…

 ちっ…このバカ力が!!!」


イケメンモデルは去って行った。


「ごめんね。マー君…ちょっと嫌な人だったから怖くて…」

「うん。今日はついてきて良かったでござる。

 なっちゃんの事守れたし、

 それに…なっちゃんが凄く魅力的な女の子だってわかったでござるから…」

「本当?嬉しい♡

 じゃあ…ラーメン屋行こっか♡」


「ついて行くでござる!!!お姫様!!!」


 




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