第17話 狂気

前回を飛ばした人向けの第16話のあらすじ


白石の妹から教室での逆恨みのため白石が連れ去られたのを

知った勝は一人、救出に向かった。

一方、白石は襲ってきた男達を何人も倒すが

遂に力尽きて、辱めをうける寸前で勝が到着した。


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「あ?てめぇは、如月と成瀬に絡んでたデブじゃねぇか…

 丁度良い…てめぇも地獄を見せてやるよ!!!」

鮫島が吠えた。


一方、怒鳴るデブを見た鮫島の兄は不思議に感覚に襲われていた。

あの目…何処かで…くっ…頭が痛い…


勝は鮫島に近づき、膝を曲げて頭を下げた。

「は?…フッ、フハハハハハ!!!

 この人数を見て今更怖気づいて土下座か?」


「けどよ…もう遅ぇよ!!

 てめぇは死ぬまで蹴り殺す!!!

 そして…てめぇに尻尾を振っていた

 如月と成瀬も後でたっぷり俺が可愛がってやる…

 本当は俺だけのペットにしてやろうと思ったが…

 あいつらも集団で犯してやる!!!」


独り自分の世界で悦に入っている鮫島をよそに

勝は、相撲でいう「はっけよい」の体制を取り…そのまま物凄い勢いで

鮫島含めて、白石を抑えつけていた男達に向けてかち上げを行った。


ドガガガガガ!!!

「うぎゃあああああああ~~~~~!!!」

その勢いは凄まじく、

鮫島含めた男4人が一気にダンプカーに跳ねられたように吹っ飛び、

その勢いで周囲にいた男数人も巻き込まれた。

男たちはいずれも泡を吹いて気絶してしまった。


「…お、お前…」

白石は何が起こったのか一瞬理解できなかった。

自分が苦労して倒した男達と同等の人数を

体当たりだけで一瞬で倒してしまったのだから…


「ちっ…調子に乗ってんじゃねぇぞ!!!この糞野郎が!!!」


鮫島兄の怒鳴り声で、少し冷静になっていた白石が

過去の恐怖に再度囚われて震えだす…


畜生…身体が…動かせない…


この時点で勝と鮫島兄を含む男5人との勝負となっていた。

鮫島兄は手下の4人の男に大声で指示した。

「おい!その震えている女を人質にしろ!!!」


手下の男達は白石を取り押さえようと四方から白石に襲い掛かった。

「あ…あ…」

白石は過去のトラウマのせいでまだ体が強張っていて上手く動けなかった。


勝は白石を庇い、白石を抱きしめた。

その瞬間を手下の男たちは見逃さず、

白石ではなく勝の手足をチェーンで絡め付けた。


そして身動きが取れなくなった勝に対して、

鮫島兄はナイフを取り出し、ニヤリと笑って勝に襲いかかった。

「くたばれ~~~豚!!!」

「あ…あ…や、やめ…ろ…私…なんか庇わずに…逃げろ…桐生!」

白石は一生懸命声に出したが…


ドス!!!

凶悪な刃物が勝の脇腹に差し込まれた…


「きゃああああああ~~~~~!!!」

「フヘへへへへ!!!ざまぁ~みろ!!!」


悲鳴と狂気の笑いが廃工場に響き渡った…




 


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