第12話 不穏な空気
如月さんとなっちゃんとのダブル攻勢が今日も続いていた。
それと共に周りの目も変わっていった。
暖かく見守るもの。
現実逃避をやめられないもの。
もはや日常茶飯事として気にしなくなったもの。
そして…一部の人間は憎悪の炎が宿っていた。
・・・
場所は変わって3年生のある教室
「あ?俺の女候補の如月や成瀬が男に靡いているだと?」
久しぶりに学校に登校してきた学校の番長、鮫島が怪訝な顔をした。
「そうなんですよ…しかも相手は豚ですよ?」
「弁当もその豚のために作っているとか。」
「じゃあ昼休みに豚をしめて、ついでに…如月と成瀬も攫ってくるか!」
鮫島はいやらしく舌をなめて、笑っていた。
・・・
その頃教室でも珍しい事が起きていた。
勝とは反対の席…
いつも空席だがそこに美少女不良の呼び声の高い 白石 渚 が
久しぶりに登校し、足を机の上に置いて座っていた。
「あ?久しぶりに学校に来てみたら…なんだこの光景?
豚に女が群がってる?
しかも周りの男の目…嫉妬か?
ちっ、情けねぇ奴らだ…文句があるなら堂々と言えば良いのに…
でも…何か起こりそうな空気だな…とりあえず静観してるか…」
・・・
そして昼休み
「旦那様♪今日は焼魚弁当にして参りましたの♪」
「マー君♪僕は唐揚げだよ♪」
「おお!両方とも大好きでござる!楽しみでござる~!!」
バーーーン!!!
突然教室のドアが乱暴に開けられた。
「旨そうな弁当じゃね~か!!くれよ、それ!」
鮫島が大声を出してこちらを睨んだ。
「成瀬、如月…以前俺に付き合って言ったよな?
で断ったと思ったらこんな豚に構ってるのか?
こんな豚よりも俺の方がお前等を満足させてやれるよ。
もう返事は良いから今日から俺と付き合え!
早速放課後俺の良さをお前らの身体に教えてやるよ!」
鮫島は如月と成瀬の身体を舐め回すようにいやらしい目つきを向けた。
「ちょっ…それはいくら何でも横暴じゃないんですか…」
陽キャの男子が一人鮫島に食って掛かった。
「あ?誰に口聞いてんだ!テメー!!!」
鮫島は陽キャの男子を殴り、男子は蹲ってしまった。
その光景に陽キャの男子は黙り込んでしまった。
女子は震えている。
如月さんは慌てて蹲った陽キャ男子に近づき
「大丈夫ですか!」
心配そうに見つめた。
そして、鋭い瞳を鮫島に向けた
「何てことをするんですか!
私は人に暴力をふるう乱暴な人とは仲良くなりません!
私は貴方とお付き合いするつもりはありません!」
なっちゃんも
「私も貴方なんかと仲良くするつもりありませんし
お弁当もあげません。
教室から出てって下さい!」
鮫島は二人を見回して…
「うるせえぇぇぇ!!!
テメーら俺の女にしてやるって言ってるんだから
黙ってついてくれば良いんだよ!!!
大人しく従っていれば痛い思いはさせねーからよ!!!」
「おい!!そこの豚!!
てめぇ・・・俺の女に何手を出してんだ?ああぁ!?」
「いつから…貴殿が如月さんやなっちゃんの彼氏になったでござるか?
それに脅すような真似をして…人として最低でござるよ?」
「良い度胸だ…泣いて土下座すれば許してやろうとも思ったが…
てめぇは死刑確定だ!!!」
鮫島は勝に殴りかかってきた。
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