第6話 疎遠だった幼馴染みの強襲

「夏美~~~!ビッグニュースだよ!」

「どうしたの?智花」

「あんたと唯一、対等な美少女 如月 遥 に男が出来たみたいよ?」

「ふ~~ん…」

夏美には特に如月に興味を持っていなかった。


「あれ?素っ気ないな~、気にならない?」

「特に…興味ないかな…」

「あっそう。意外。

 でも意外と言えば、その 如月 遥 の男なのよ!!

 どんなイケメンかと思ったら…全然違うの!!

 どうやら学園一のデブが相手らしいのよ!!」


その言葉を聞いた瞬間に、夏美の動きが止まった。


「え?学園一の…デブ??

 名前は…何て言うのかしら?」


「えっと…なんだっけな…あ、桐生って言ったっけか?」


その言葉を聞いた瞬間…夏美は顔を真っ青にして驚愕した。

「な、何ですって~~~!?」


「ど、どうしたの?夏美!?」


「そ、そんな…バカな…あ、あり得ない!!

 いつから?」

いつも冷静な夏美が信じられない位取り乱している。


「え?今日から…らしいよ?

 ってか夏美…超興味あるじゃん!!」


「だから2年3組はもう大変な騒ぎになっていて…

 放課後もデートするらしいって噂があるよ?」


そんな経緯があり、夏美は放課後急いで教室を出て、

幼馴染みである桐生を探していた。

そして喫茶店の前で如月と腕を組んで、

顔を赤くしている桐生を見てしまい…今に至る。


夏美は茫然といつの間にか家に帰っていた。

そしてぼーっとベッドと横たわっていた。


「…マー君があんな顔できるようになっているなんて…

 いつの間に…でも…良かった…本当に…ぐすん…

 ただ…喜んでばかりじゃいられないわ…

 あの顔の横にいるのは私じゃなきゃいけない…

 確か交際…一日目…まだ…間に合うはず…

 これは…もう…なりふり構っていられないわ…」


夏美は決意を新たにした。


・・・


翌日、小生はいつも通りの時間に家を出ると

家の前に信じられない光景があった。


「…その…久し…ぶり…」


疎遠だった学園で一二を争う美少女で幼馴染みの 成瀬 夏美 が待っていた。


「えっと…ひ、久しぶりでござるな…

 成瀬…さん…」


小学校6年の時のあの事件以来、疎遠となっていた なっちゃん が

あの頃と同じように待っていたのが信じられなくて…小生は恐る恐る話した。


すると、なっちゃんは涙を流しながら謝ってきた。


「ご、ごめんなさい。マー君。本当にごめんなさい!!

 私…マー君に助けてもらったのに…マー君の人生無茶苦茶にしてしまったのに…

 本当は誰よりもマー君に寄り添わなくちゃいけなかったのに…

 居たたまれなくなってしまって…距離を置いてしまったの…

 でも…でも…昨日如月さんとマー君がお付き合いするって聞いて…

 居ても立っても居られなくなって…待ち伏せしちゃいました…」


「あの時病院でも話したでござる…もう小生は気にしてござらん…と…

 成瀬さん…いや…敢えて昔の呼び方をするでござる…

 なっちゃんが…無事で…むしろ本当に良かったと思っている位でござる…」


「・・・許して…くれるの?…また…なっちゃん って呼んでくれるの?」


「許すも何も…最初から小生は怒ってないでござる…

 むしろ…あの事件が…なっちゃんを何か縛ってしまったかと思い…

 小生もあの時会わない方が良いと言ってしまったし…

 会いにいけなかったのでござる…

 小生も…今まで申し訳なかった…」


「マー君!!!」

なっちゃんがいきなり小生に抱きついてきたので、小生は固まってしまった。


小学校の頃に良く抱きつかれていたが、すっかり女性の身体となっており、

女性特有の甘い匂い と 信じられない位の柔らかさ で

小生は頭がぼっーとしてしまった。


暫くすると頭が冴えてきたので疑問をぶつけてみた。

「ずっと疎遠のままだったら嫌だなと思っていたから嬉しいでござるが…

 急にどうしたのでござるか?

 如月さんとの事を聞いてって言ってたけど…?」


「わ、私…マー君が昔からずっと大好きだったの!!

 如月さんなんかじゃなく、私の方がマー君のお嫁さんになりたいの!!!」


「へ!?・・・」


 

 









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