第2話 犬のうんちを踏ませた責任を取って結婚する??

足には犬のうんち…

目の前に学園で一二を争う美少女天使様…

そして突然のプロポーズ…


え?犬のうんちを踏ませた責任を取って結婚するって

法律でもあったってござるか??


小生は茫然とそんな事を考えてしまっていた…


いや…あるわけないでござる!!!

自分の中で盛大な一人突っ込みを行った。


「お、落ち着くでござる!!」


かなり動揺していた小生は、自分自身を落ち着かせるようにゆっくりと言った。


「この犬は…その…貴殿の飼っている犬なのでござるか?

 確かにこの犬のうんちで小生は不幸な目に遭いはしたが…

 責任をとって結婚なんてとんでもないでござる!!

 こんな見ず知らずな男に…もっと自分を大切にして下され!!」


「そ、そんな事ありません!

 私がリールをしっかりと持っていればこんな不幸は起きなかったんですもの…

 責任を取らせて下さい!桐生さん!!」


「ええっ!?小生の事認識していたのでござるか~~~!!」


「当たり前です!桐生さんは…私の大事な…い、いえ、クラスメートですし!!」


ん?大事な…クラスメートでござったの?小生…単なるクラスメートではなく?

いつからでござる???


「ちょっと…疑問はいくつかあるのでござるが…

 とにかく責任取るとか良いでござるから…

 もう十分謝って頂いたでござる…(苦笑)」


「ダ、ダメです!!

 自分の飼い犬が迷惑をかけたら責任を取らないと…

 私…お巡りさんに捕まっちゃいます!!」


「えええ~!!!捕まっちゃうでござるか~~!?」


「そ、そうなんです。

 だから私を助けると思って!!」


「で、でも結婚はあまりにも…」


「あっ…そ、そうですよね…桐生さんは素敵な方ですし…

 私なんかがいきなりお嫁さんにと言っても…困りますよね…」


ぎゃあああ~女性耐性0の小生にそんな顔向けないでくだされ~

恐れ多くなった小生は、必殺土下座で

「と、とんでもないでござる~!!

 そういう意味ではむしろ陰キャでデブで容姿も悪い

 小生の方が恐れ多いでござる~!!」


「ど、土下座なんてしないで下さい!!

 わ、分かりました!では…とりあえず結婚ではなく…

 お、お付き合いするという方向でどうでしょう?」


「ええええ~~!!それでも十分恐れ多いのでござる~~!!

 そもそも…小生は誰かと付き合うとかは…そんな資格はない男でござるので…」


「桐生さんが何でそんな事を言うのかは分かりませんが…

 付き合う資格のない人なんていないと思います!

 その…ダメ…ですか?」


上目づかいで涙ぐんで懇願してきたので小生は思わず


「…そ、それでは…非常に恐れ多くはござるが…

 お付き合い(仮)で…お願いいたしますでごじゃる…」


と最後は良く分からない言葉で返事をしてしまった。


「あ、ありがとうございます!!…私…とっても嬉しいです!!」

如月さんは、向日葵が咲くかの如くパーッと明るい笑みを俺に向けた。


遠くから親子の声が聞こえる。

『『 ほら、公平。お昼ご飯食べに行くよ~ 』』

その声になぜか反応した如月さんの飼い犬が

はっ、はっ、はっ…と荒々しい声をあげて、急いで声の方に走りだした。


リールを持っていた如月さんはそのまま強制的に引っ張られる形になり、


「きゃあああ~、も~~~う…待ちなさい!!

 うちはまだご飯じゃありません!!

 き、桐生さん、申し訳ありません。

 私は腕が耐えられそうにないのでもう行きます。

 明日また学校で~」


そのまま行ってしまった。


小生は茫然と立ち尽くし…それから何とか家に帰った。

返ってから靴を洗い…ボーと今日の怒涛の一日を振り返っていた。

気づくと夕飯となっていて、思わず母上に尋ねた。


「母上…飼い犬のうんこを他人に踏ませてしまったら…

 責任取って結婚しなくちゃいけないのでござるか?」


「は!?…あんた…バカなの?」


「…そうでござるよね…」




 









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