第4話 百合展開!?

 わたしはマブダチのリサとメッセージアプリで遊んでいた。リサは北欧のハーフです。外人ぽいのは見た目だけで、中身は歩く小学生である。


 歩く小学生の深い意味は『頭脳は子供』などとはマブダチでも黙っているのだ。


 そこでだ。ただのメッセージ交換が遊びと言えるのであろうか?わたしは賢い女子高生なので哲学的な事を考えるのである。


 同意をリサに求めると。


『ただのバカでしょ』


 やはり、中身は小学生だ、哲学の意味が解らないらしい。


『では、有名な哲学者は?』


 リサの問いに……。


『アインシュタイン』とメッセージを送ると。

『物理学者じゃん』


……。


 そう、わたしは残念な女子である。だから歩く小学生のリサがマブダチなのだ。それを見ていたアリシアは羨ましそうにしている。


「どうしたアリシア?」

「簡単よ、わたし友達がいないの」


 それは、そうだろ、極貧悪役令嬢なのだから。ヒロインの恋を邪魔する極貧悪役令嬢なのだ。これ以上は可哀そうなので、わたしの友達になるか提案する。


「ホント?」

「アイヤー、ワタシ、ウソつかない」


 何故かインチキ外国人のセリフを放つ。それは遊び半分で言ったなど言えるはずもなく途方に暮れていると。


「ありがとう」


 アリシアの感謝の言葉は本物であった。


 げ、マジだ。マジでアリシアには友達がいない。


 ここは百合展開の狭間でアリシアと親友になる事を誓うのであった。


 それから、アリシアは満月の夜に人型に戻る為に買ったシルクのパジャマを眺めている。


  今は黒猫の姿である。


 流石に下着はしまって置いてある。アリシアの恋の目線はわたしが部屋で着替えている時もある。目のやり場に困った様子のアリシアが観察できる。ある意味、かなりのプラトニックな恋愛です。わたしも満月の夜に人型のアリシアとあーだこーだと妄想する。


 プラトニックと違う!


 大体、人型のアリシアが美少女過ぎる。あれは女性でも惚れるわ。それで、皇太子の嫁などと思ったのであろう。悲しい悲劇である。


 わたしはポテチを取り出してアリシアを近くに呼ぶ。


「ポテチを食うか?」


 アリシアを飼い鳴らすつもりはない


が……。


 ガツガツ食べるアリシアは幸せそうであった。


 やはり、この恋心は黙っておこう。

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