3,いざアキバ!
さあさあさあ! 今日は美少女ゲームを予約しにいざアキバへ出陣!
地元からアキバまでは片道1時間以上! 今日は午後から雪姫たんに会いに行く予定があるから早く出かけてとんぼ返りしなければならん!
しかし早く出かけるとなると通勤ラッシュにバッティング! ぼくたん満員電車なんてやだやだやだー!
そこで僕は1020円を投資して指定席の特急『湘南』に乗り込んだ。8時過ぎで遠距離通勤のピークを越えたからか隣の席には誰も座らなかった。ポッチャリ体型の僕にはゆったりしてて丁度良い。だが東京駅からは一般的な通勤電車に乗り換えなきゃいけないから、比較的空いている後方の車両に乗ってストレスを抑制した。
大体にして、なんでこの僕が知りもしない他の人間と同じ空間を共有せねばならんのだ! 早くどこでもドアを開発したまえ!
試練を乗り越えた僕は、やっとの思いでアキバに到着! 駅ナカや街ナカには萌~え萌~えキュン! な広告があちこちに掲示されていて目の保養になる。
お目当ての美少女ゲームを予約したら、早速メイド喫茶でお食事だ。
「いらっしゃいませ!」
このメイド喫茶は『お帰りなさいませご主人様』ではなく『いらっしゃいませ』と客を出迎えるタイプだ。
「いらっしゃいましたメイドたぁん! さぁ! 僕を蹴って踏んで罵って!!」
僕は絨毯の上で転げ回っておねだりした。早く早くぅ!
「お客様、毎度申し上げておりますが、当店ではこのようなサービスは行っておりません」
笑顔で丁重にお断りされてしまったが、僕は諦めない。
「イヤンイヤーン! そんなこと言わないでぇ!」
「お客様……」
「は・あ・い? なんでちゅかぁ!?」
僕の熱意が通じてようやくご奉仕する気になったかにゃん?
「てめぇ毎度毎度キモいんだよ!! 他の客の迷惑になるからてめぇは出禁だ!! とっとと帰れキモオタおじゃる〇!!」
なるほど、僕は他所の地域に行くと『おじゃる〇』と呼ばれるようになるのか。
「イヤーン! か・い・か・ん! うふっ♪♪」
店から締め出された上に出禁をくらった僕は仕方なく空腹のまま地元へ戻り、駅の近くにあるラーメン屋でランチを済ました。塩ラーメンの脂多め麺硬めとネギ丼のセットにギョーザを追加! できれば無料で平らげたいところだが、ラーメンは鮮度が命! ここは公正に代金を支払った。
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