超ド級に可愛い転校生。

@sirasu1213

第1話

●プロローグ

 高校二年の春、何の前ぶりもなくうちの学校に明日転校生が来るという話が終礼に舞い込んだ。

 転校生、それは学校でほとんど何の前振りもなくやってくる一生の内一回起きれば奇跡というようなイベント。

 そんな特大イベントで問題にされるのが男子なのか女子なのかという問題。これは一歩でも先生が立ち回り方をミスればクラスの中で言い争いで男子生徒と女子生徒の間に小さな戦争を起こしかねない問題となるに違いないだろう。仮になったとしても転校生の性別を知るまでの一時的なものに過ぎないかもしれないが。

 そのような小さな戦争を起こさせないためにもに先生は転校生の性別をいうんだろうと思うがその前に。少し雑談をしよう。

 仮に転校生が女と仮定した場合、男子は清楚系美少女説を持ち上げてくるし、逆に男と仮定した場合、女子はイケメン男子説を持ちあげてくるに違いない。いや、絶対そうだ。てか、そうでなくちゃ盛り上がらない。そんな話をして盛り上がるのがこのイベントの醍醐味ではないだろうか。

 そして、俺もそうやって盛り上がってる一人のモブキャラAである。

 さて、漫画や小説ラノベでは、大体転校生は主人公と相対する性別の生徒が転校してくる。そして、俺を仮に主人公と仮定する場合、清楚系美人高校生が学校に転校してきて、その転校生が黒板の前に立っている時、目があったり、その美人転校生が俺の隣の席になったり、他には帰り道可愛い美少女転校生が変な男達に絡まれてるのを俺が助けたりして、可愛い美少女転校生が俺に対する気持ちが高まり、恋愛感情が芽生え始めて、紆余曲折しながらイチャイチャしながら学校生活を送ることになるわけだが。そんな話は童貞が考える何の科学的根拠もない話である。だが、少しの希望を胸に明日の朝礼に臨むために、今日の帰りは、美容室で髪を整えて明日の朝礼に備えたいと思う。

 あわよくば彼女にしたいなんて思っているわけではない。

 さて、実際はどうなるのか。明日が楽しみで仕方がない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

超ド級に可愛い転校生。 @sirasu1213

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る