第二の巻
「霊戦士?なんだよそれ!」
俊介は問いを投げかける。
「説明は後だ。離れてないと死ぬぞ」
俊介は話を受け入れ後方へ下がっていった。
「推定ランクはAランクね」
「初任務でこれか。あの人はいつもそうだ」
「愚痴を言ってちゃ始まらん。行くぞ」
「言われなくてもわかってるわよ!」
会話を終えた2人はものすごい速度で御門様の元へと走り出し、札のようなものを取り出し唱えた。
「開"御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)"」
「開"印結杖(いんむすびのつえ)"」
二人の詠唱と共に札が青白く光だし、男の方は刀、女の方は杖と形を変えた。
「なんなんだあれは…」
俊介は目の前の現実を混乱という形でしか受け入れることはできなかった。
「御霊斬魂(みたまざんこん)」
男はそう言い放ち御門様にむかって白色の斬撃を刀から飛ばした。
「ぎぇぇぇぇえぇえぇえぇぇ」
御門様は耳に響き渡る声で叫んだ。
「人間風情が図にのるなぁぁぁぁぁぁあぁ」
その瞬間、御門様の腕から黒い触手のようなものが2人目掛けて勢いよく伸び始める。
「そんなの効かないわよ!!」
女が手に持つ杖で地面を軽くトンと叩く。
その瞬間、杖を中心に薄黄色く発光を始め、
それと同時に触手が跡形もなく消え去った。
「月光(げっこう)」
その光を受けた御門様は身動きが完全に止まっている。
「今よ!!」
「わかっている。」
「霊祓"示現切り"」
詠唱と同時に神々しく光出した刀身を御門様の首を目掛け、全身全霊の大振りをしてみせた。
「グギィィィイィイィィィィ」
御門様の首は地面に転がり、奇怪な声を発している。
「やったわね♪」
「当然の結果だ。」
会話をしている二人の背後で御門様の体が怪しく光り始めた。
俊介は咄嗟に
「二人とも危ない!!!」
瞬間的に後ろを振り返った二人だったがすぐにこちらに顔を向け
「何もないじゃない。驚かさないでー」
と何も見えていない様子である。
「何も見えないのか!?」
どうやら俊介だけに見えているらしいのだ。
悍ましい光が刃物のような形をし、2人の首を刎ねようとしているのだ。
その光の刃物が2人の首を捕らえ、俊介は瞬間的に目を閉じた。
すると、背後から頭をポンと叩かれ、声をかけられた。
「君には見えているのか。あの霊の憎悪が。」
その声がしたと思うと同時に
「目、開けていいよ。2秒で終わらせるから。」
そう声をかけられて目を開けた。
そこには10代ぐらい年上の男が立っていた。
「霊祓"皆印(ういいん)"」
そう男が唱えると、御門様の体は瞬く間に縮み始めた。
俊介が瞬きを終えるごろには完全に御門様の体は小さな球体と化していた。
「安心しな。これでもう大丈夫さ。」
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