第7話 勉強会
静かな空間で二人きり……とはいかなくて
「ねぇ、なんでこいつがいんの?」
クラスのギャルこと、
陽キャラグループの二大S級美女でもあり、色黒金髪のミニスカ巨乳さん。
意外に顔はアニメ声というか可愛らしい。
「テル君と一緒に勉強しようと思って」
「テル君?」
「そっテル君。ユウ、知ってた?テル君学年の成績一位なんだよ」
「えっ?!こいつが一位」
「そうそう」
二人の美女は、美声で僕を褒め称える。
あれ?ここって天国だった?
確かにアプリを使った後は、君島さんがアプリと同じ言葉で話しかけてくれることはあったけど。
ここまで僕を褒めてくれる内容は初めてなんだけど。
「ふぅ~ん、陰キャだけど。ガリ勉君なんだ~いいじゃん。ねぇ私にも勉強を教えてよ」
身を乗り出すと開いた胸元から谷間が見えてドキッとしてしまう。
ダメだ!僕が好きなのは君島さんで、小島さんの誘惑に乗っちゃダメだ!
「べっ勉強を教えるのは構わないけど。ぼっボタンを閉めてくれ!」
「ボタン?」
キョトンとした表情をする小島さんは自分の胸元を見てニヤニヤとする。
「あ~見たんだ」
「見っ見てない。見えそうだからしまってほしいって言ってるんだ」
僕はテンパりながらもなんとか意思を伝える。
「はいはい。別に勉強を教えてくれる代わりにちょっとぐらい見せてあげるのに~」
プックリとした唇をキスするように突き出してイヤらしく耳元でささやかれるとドキドキが止まらない。
「もう、ユウ。テル君をからかわないの」
「え~テル君。からかうとマジ面白いんだもん」
はっ!どうやら僕はからかわれていたようだ。
だけど、二人のS級美女に挟まれてからかわれて……やっぱり天国?
それからは二人の苦手なところを聞いて、勉強を教えるようにシフトしていく。
だけど……
「テル君、ごめんね。ユウも今度のテストヤバいの助けてあげて」
右から君島さんの優しくも綺麗な声がささやかれ……
「テル~ここがわかんない。歴史って何が面白いの?」
左からは大きな胸が肘に当たり、甘えるように勉強の質問を聞いてくる小島さんのアニメ声がささやかれる……
僕は二時間耐えきった。
ここは天国であると同時に地獄だ。
でも、君島さんの近くでスマホを置いて録音できたから……帰ったら変換しよ。
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