第13話 昼食
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ようこそ、天蓋翔様。
お引き出し額を入力ください。
お引き出し額九〇〇万クロック。
お引き出し手続き完了しました。一二時間以内に黄金の引き渡し準備を完了させ、ご連絡致します。
またのご利用を。
午前中の授業が終わり、ついに昼休み。相変わらず翔は昼食を抜き、その時間を昨晩の作業の続きにあてようとしていた。たぶん彼には一日三食食べるという習慣がないのだろう。身体が頑丈なせいで二週間ほどなら何も食べなくても大丈夫というのもあるのだろうが。
大体の生徒が一階の食堂に行こうと教室を出て行く中、彼は机の脇のスクールバッグを取り出しどこかに出掛けようとする。
だが、そうは問屋が卸さない。
「翔くん、一緒にご飯食べようっ」
咲良がそう明るく翔を誘う。
「遠慮しとく。昼ご飯は朝ご飯食べたからいらない。それに俺、ちょっとやることあるから」
そっけなく答える翔に対して咲良は諦めない。
「ちゃんとお昼ご飯食べないとダメだよー。あっ、そうだ。柊くんも一緒にどーお?」
翔の隣の席に座っていた柊に水を向ける。すると柊は爽やかな笑顔でそれを快諾した。
「うん、ご一緒させてもらえると嬉しいな。天蓋くんともちゃんと話したいし」
「ね? 翔くん。一緒にお昼食べよ?」
手を小さく合わせ、上目遣いでお願いする咲良。
翔は強めに頭を掻いた。それは予定が狂ったことに対する苛立ちか、はたまたそれ以外の理由か。
「わかったよ。付き合うよ」
そして三人は教室を後にした。
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