第4話 預言者のあいつが気に入らない
———グロイさんが入室しました
ミナミモト【ばんわー】
サクラ【こんばんは】
グロイ【やぁ】
グロイ【面白そうな話をしてるんだって?】
田中太郎【そですね】
ミナミモト【思ってたよりたくさん人が来てくれて嬉しいっす】
彩路【ごめんごめん、今ログ読み終わったよ】
彩路【面白い話だったね】
サクラ【恐縮です】
ブルーベリー【上に同じです】
ミナミモト【彩路さんは何か話せることあります?不思議な体験】
彩路【うーん、そうだなぁ】
彩路【この間見た夢の話でよければ】
ミナミモト【ほほう】
田中太郎【新しい切り口だ】
彩路【多分ずっと未来の話だと思うんだけど】
彩路【その時代では人工知能が発達していて、人が生まれてから死ぬまでの出来事がすべて予測できるようになってたんだ】
ブルーベリー【SFみたいな話ですね】
サクラ【でも実際、遠くない未来そうなってもおかしくない気はします】
彩路【そこで俺はAIに「キミは将来建築関係の仕事に就いて、職場で知り合った人と結婚して、子供は三人くらい生まれる」って言われたようなんだけど、】
彩路【俺はそんなAIのことが嫌いで、AIの予言を外して鼻をあかしてやろうと躍起になってた】
ミナミモト【で、どうなったんです?】
彩路【残念ながら夢はそこで終わり】
彩路【今の俺じゃそこまで見るのがやっとだった】
田中太郎【?】
サクラ【どういう意味でしょう?】
彩路【あぁいや、こっちの話】
彩路【でもまぁ、そうやって与えられたレールの上を何も考えず走るより、自分で自分の道を切り開こうとする姿勢はちょっと良いなと思ったよ】
彩路【我ながら】
ブルーベリー【もしかしたら予知夢とかかもしれないですね】
田中太郎【もし本当にそんな未来が来たら、なんというか生きるのがすごくつまらなくなりそうですね】
田中太郎【だいたいの人は】
彩路【すべての人がそうじゃないっていうだけで、今の時代にも無い話でもないと思うけどね】
彩路【自分で自分の人生を決められない人だっているだろう?】
彩路【いつの時代においても必要なことは自分が何を考え、何を選び取るかだ】
彩路【それが百パーセントの精度で予知できる人工知能の言葉であっても、その言葉をただ鵜呑みにして受け入れるのか、抗ってみるのかも含めてね】
ミナミモト【ただの夢の話なのにすごく説得力を感じる】
グロイ【もしかして彩路さんは】
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