第2話 私の愛した空
———サクラさんが入室しました
ミナミモト【あ、ばんわー】
田中太郎【こんばんは】
ブルーベリー【こんばんはです】
サクラ【はじめまして】
サクラ【何やら面白そうな部屋を見つけたので覗きに来ました】
ミナミモト【サクラさんちょうどよかったです】
ミナミモト【これからブルーベリーさんの不思議な体験話が始まるとこでした】
ブルーベリー【ご期待に添えるかは分からないですけど】
田中太郎【いやいや、少なくとも僕のよりは面白いはずですから大丈夫ですよ】
ミナミモト【wkwk】
ミナミモト【あ、サクラさんの体験談はブルーベリーさんの次でお願いします】
サクラ【分かりました】
ミナミモト【それで、ブルーベリーさんのはどういうお話なんでしょうか?】
ブルーベリー【えーっと】
ブルーベリー【こういうお話しても信じてもらえるか分からないんですが】
ブルーベリー【神様とお友達になったといいますか】
田中太郎【!!】
サクラ【神様とな】
ミナミモト【詳しく】
ブルーベリー【私、小さな離島の出身なんですけど】
ブルーベリー【子供の頃、島で誰も寄りつかなくなった神社に迷い込んだことがあって】
ブルーベリー【そこで、その人と出会ったんです】
田中太郎【人?神様じゃなく?】
ブルーベリー【神様が人の姿をしてたと言いますか。若い男の人なんですけど】
ブルーベリー【昔の島で奉られてた、天災から島を守ってくれていた神様で】
ブルーベリー【最初に会ったのが小学生のときで、それから毎日彼に会いに行くようになったんです】
ブルーベリー【世間話したり、一緒に空を眺めたりするだけだったんですけど】
ミナミモト【はえー】
ミナミモト【神様ってどんな感じなんですか、なんかすっごいオーラを感じるとか?】
ブルーベリー【オーラはよく分からないですけど、その人は背中に翼を持ってますね】
田中太郎【翼ってそれ神様というか天使なんじゃ】
ブルーベリー【そういう意味だと、天の使い、っていう存在とは違うらしいです】
サクラ【興味深い話ですね、好奇心が刺激されます】
ミナミモト【是非自分も一回会ってご利益をいただきたいですな】
ブルーベリー【それが、いまは彼、島にはいないんです】
田中太郎【あれ、子供の頃毎日会ってたんですよね】
サクラ【災いを鎮める神様ということでしたが、それが関係あるんでしょうか?】
ブルーベリー【疲れて羽を休めるために一時的に島に戻ってきていたって感じで、たまたまその時期に会えてたんですよね】
ブルーベリー【でも、何年か前に大きな台風が島を襲ってきて】
ブルーベリー【島を守るためにまた空に飛んでいっちゃったんです】
ブルーベリー【おかげで私達は助かったんですけど】
ミナミモト【あー。言われてみればなんか騒がれてた時期があったような気がしますね】
サクラ【まぁまぁ、プライバシーの問題もありますから深く詮索するのはやめておきましょう】
田中太郎【そうですね】
ミナミモト【うっす】
ブルーベリー【ありがとうございます】
ミナミモト【それで、彼とはそれっきりなんですか?】
ブルーベリー【今は、】
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