第五話 潜んだ脅威(語り手:とら)
すてが食堂に戻った時にしょうが倒れてるのを発見して、全員はまた食堂に集まった。
すて「これで確定だ。俺たちの中に殺人鬼がいる。恐らく、あつを殺したのもー」
『すて!!』
すて「そうとしか思えないだろ!本当にあつを殺しにきた奴が侵入者なら、未明にはここにいないはずだ!しょうを殺す理由もない!」
『しょうを殺す理由がないのは俺らも一緒だ!』
ゆう「そうだよ...私達は皆しょうちゃんの事大好きって事ぐらい、皆知ってる!」
でも、こう言っているゆうがあつを殺した事は知っている。
車を停めに行った時に、ゆうのバッグから借金の借用書と粉の入った瓶があった。あれは、今ネットで流行っている、安く買える毒物だ。最近逮捕されたはずだが、瓶のデザインが同じだ。
その時、ゆうがあつを殺そうとしている事に気付いた。
そして、全員分のカレーを先に分けておいた時点で確信した。
あつが毒殺されれば、持ち物チェックをされるだろう。しかし今回の死因は撲殺。
俺があつを大壷で殴り殺し、凶器は砕いて埋める。
会議は凶器が大きい石であり、犯人は外の奴だと誘導する。警察が来ても、同じ様に話すだけ。
そう思っていた。
しかし、しょうが死んでいる。
ゆうにはしょうを殺す理由はないはず...
という事は...しょうを殺したのはすてか...?
しょうを殺す動機は不明だが、すてならしょうを殺せるだろう。
すて「警察が来るまで待てば良い。それまで全員部屋で過ごそう。」
ゆう「わかった。でも、警察はいつ来るんかね...」
とら「だいぶ経ってんだ、そろそろ来るだろ。」
その時、ある事を思いついた。ゆうと協力して、すてを殺して、この館を放棄するのはどうだろうか。
警察が来ても、そこに誰がいたのかわからなければ問題はない。
ただ、この方法だと、ゆうがすてを殺す決断をしないといけない。
先にすてを殺すと、しょうを殺したのも俺と思われるかもしれない。一旦別れた後に、時間をおいて、でも警察が来る前に、ゆうとコンタクトをとりたい。できれば...ちゃんと顔を合わせて話したい。
俺の部屋を出て、エントランスまでは20mはある廊下を歩かないといけない。
エントランスにゆうをメールで呼んである。すてには言わない様に、信じて来てくれと念を押して送った。
既読はついたが、返事はない。でも、ゆうのこと、信じられているということを信じて、エントランスへ向かう。
エントランスが見えて来る。人影はない。
ソファーに座って待とうと、ソファーに目をやると、そこの床に、
紅くなった人が倒れていた。
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