第81話 ウェディング魔法とPDR

 おっ、ファンファーレっぽい音楽と紙吹雪だ。


 それと白い台座も出て来たぞ。


 どうやら自力でボスを倒さないと出て来ない仕組みのようだな。


 さて、今回の記念品は何かな?


 台座の上には『美味しいPDRの作り方』と書いてある紙が置いてあった。


 これはPDRのレシピのようだ。


「同志、PDRのレシピを手に入れたゲスッスよ!」


 シャワイヤーも同じものをもらったようだ。



 では、砂糖ドラゴンを解体しようか。


 まずは塩を取り出そう!


 足の付け根を剣で斬ってみると、中に白い粉状のものが入っていた。


 これが材料の塩か。


 これを保存容器に入れてと。


 よし、これでPDRの材料がすべてそろったぞ!



 後は魔導書を取り出そうか。


 おっ、これかな?


 ケーキの最下段の部分に、ウェディングドレス姿の女性が描かれた雑誌のようなものが入っていた。


 これがウェディング魔法の魔導書?


 ただの結婚情報誌じゃないのか?


 とりあえず、読んでみるか。


 ふむ、ウェディング魔法は結婚に関する何かを出す魔法なのか。


 ウェディングソルジャーは結婚に関係なさそうだけどなぁ。


 最初はウェディングソルジャーしか出せないけど、よポイントで強化すると他のものも出て来るようになるそうだ。


 なるほど、そういう魔法なのか。


 それで他には何が出せるようになるんだ?


 ……書かれていないな。


 ただ、白紙のページがいくらかあるぞ。


 これはもしかして、購入した後に追記されるシステムなのか?


 あり得そうだな。


 購入したら確かめてみよう。


 では、続きを読むとしようか。



 ウェディングソルジャーは衝撃が加わると、すぐに爆発するから取り扱いには注意しろだそうだ。


 恐ろしい魔法だな。


 ウェディングソルジャーを働かせすぎると、やる気を失って仕事をしなくなるから、適度に休ませろだそうだ。


 この性質のせいで、キューストの能力が効いたのかもしれないな。


 気を付けよう。



 魔法の使い方は、この魔導書を持ってウェディングソルジャー出ろと思うと出て来る、消えろと思うと消えるそうだ。


 簡単だなぁ。


 最大で七体同時に出せるらしい。


 そして、よポイントを払うと、出せる数を増やせるそうだ。


 そうなのか。

 では、砂糖ドラゴンはまったく強化をしていなかったということになるな。


 なぜなのだろうか?


 よく分からんなぁ。


 まあ、いいか。



 では、試しに使ってみよう。


 本の通りウェディングソルジャーが出て来た。


 簡単な命令になら従ってくれるみたいだ。


 いろいろと使い道がありそうだな。


 うまく活用しよう。



 さて、もうここでやることはないな。


 ここを出るとするか。


 次はPDRを作らないとな。



 ダンジョンの入り口に戻って来た。


 そして、奉納部位を奉納した。


 魚介、鳥骨、豚骨、牛骨、野菜ドラゴンが一体、一万よポイント。

 麺、トッピング、味噌ドラゴンが一体、五万よポイント。

 砂糖ドラゴンが一体、五〇万よポイントだった。


 俺とシャワイヤーは、七〇万よポイントずつ手に入れた。



 ツトスナ町に戻って来た。


 ここは相変わらず、良い香りがしまくっているなぁ。


 さて、調理できそうな場所を探そうか。


 キッチンのある宿があれば良いんだけどなぁ。



 町を歩いていると、いつものように警察官に職務質問をされた。


 俺は事情を説明した後、調理できそうな場所がないか聞いてみた。


 キッチン付きのホテルがあるらしいので、場所を教えてもらった。


 では、そこに行ってみようか。



 向かっている途中に、シレモン買取所を発見したので入手したものを売却した。


 寸胴鍋、トッピングドラゴンのオマルがひとつ、一万ジカァ。

 味噌ドラゴンのマツタケが一本、二三万ジカァ。

 砂糖ドラゴンの足がひと組、三〇万ジカァだった。


 俺とシャワイヤーは、六〇万ジカァずつ手に入れた。



 警察官に教えてもらったホテルにやって来た。


 大きくて立派なビルだ。


 料金高そうだな。


 まあ、とりあえず、入ってみるか。



 中に入った。


 こちらも実にお高そうな感じだな。


 では、手続きをしてこようか。


 俺たちはキッチン付きのツインルームに泊まることにした。


 料金は一泊、六〇万ジカァだった。


 かなりお高いなぁ……



 部屋にやって来た。


 おおっ、こいつは広いキッチンだな!!


 製麺機はあるし、他の調理器具もそろっているようだ!


 これならなんの問題もなくPDRを作れそうだな!


 では、さっそく調理開始といこうか!


 まずはレシピを確認しよう。


 ええと、作り方は前にサンクトが言っていた方法で、麺を作ってゆでる。


 五種類のスープを温めて、混ぜて、そこに塩、味噌、醤油を入れて、溶けるまでかき混ぜる。


 その後、スープに麺を入れて、その上にトッピングドラゴンの具材を載せれば完成らしい。


 スープは結構簡単に作れそうだな。


 麵の方は面倒くさそうな気がするけど。


 よし、作業を始めよう。



 ……完成したぞ。


 ものすごく良い香りのする、真っ黒なスープのラーメンができた。


 すごく美味しそうではあるが、塩辛そうでもある。


 塩、味噌、醤油を全部入れたからなぁ。


 これで本当に良かったのだろうか?


 まあ、そこは持って行けば分かることか。


 では、PDR保存容器に蓋をして、アイテムボックスに入れておこう。



 むっ、腹が減ってきたなぁ。


 飯でも食いに行くか。


 外に出て、食事処を探していると『PDRっぽいラーメン』というものがあるラーメン屋を見つけた。


 気になったので注文してみた。


 見た目、香りともに、先程作ったPDRとそっくりなラーメンが出て来たぞ。


 では、食べてみようか。


 いただきます。


 かなり塩辛いけど、いろいろなうま味が複雑に絡み合っていて、とても美味しいな。


 俺の作ったPDRも、こんな味がするのかな?


 ごちそうさま。


 料金一万ジカァを払って、店を出た。


 さて、満腹になったし、ホテルに戻って休むとするか。



 次の日。


 さて、後はスローライフメタルとインクだけだな。


 どうやって入手すれば良いんだろうな?


 とりあえず、この町で情報を集めてみようか。

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