第53話 釜と戦う?
ボスの釜を倒した!
というか、自滅した!!
猛スピードで突っ込んで来た釜を避けたら、壁に激突して動かなくなったのだ。
ここの連中は空回ってばかりだな!!
おっ、ファンファーレのような音楽が鳴った!
それに紙吹雪も降ってきたぞ!
ここが最奥だったのか。
そして、白い台座が二台現れた。
その上には白い紙が一枚置いてあった。
そこには黒い文字で、こう書かれていた。
『賞状 生方速人殿』
これ賞状だったのかよっ!?
『あなたは初心者に優しい・ラブ・アルカディア・ダンジョンを見事クリアしました! なんかすごい気がするようなしないような感じなので、これを賞しま~す!!』
すごいのか、すごくないのか、ハッキリしろよっ!?
『ダンジョン企画部 アルバイト オーワラエル』
ダンジョン企画部!?
なんだそれは!?
そんな組織があったのか!?
ダンジョンはすべてカスクソ邪神が造っているわけではないのか!?
というか、アルバイトの名前を書くなよっ!?
こういう時は、企画部の部長とか社長とか、もっとお偉いさんの名前を書くもんじゃないのかよっ!?
まあ、そんなのどうでもいいか!
それで結局これはなんの役に立つんだ?
とりあえず、こいつを神鑑定してもらおうか。
この紙はただの賞状で、買い取ってもらえないうえに、よポイントにもならないそうだ。
本当に単なる記念品なんだな!?
もっと役に立つものが欲しいところだが、まあ、仕方ないか。
とりあえず、こいつはアイテムボックスに入れてもらおう。
「同志、おいらも同じものをもらったゲスッス。こいつも入れておいてくれゲスッス」
「ああ、分かったよ」
二枚ともアイテムボックスに入れた。
では、釜を解体しよう。
こいつの奉納部位は底の部分らしいので斬り取った。
他の部分も買い取ってもらえるそうなので、切り分けてアイテムボックスに入れた。
さて、これでもうやることはないな。
ここを出るとしよう。
ダンジョンの入り口に戻って来た。
では、奉納しようか。
白ローブ一体、百よポイント。
五〇体分あったので、合計五千よポイント。
ギロチン一体、五千よポイント。
アイアンメイデン一体、五千よポイント。
水車一体、五千よポイント。
釜一体、五万よポイント。
合計七万よポイント手に入れた。
おおっ!
もうかったなぁ!
さて、この後はどうしよう?
スローライフ許可証のダンジョンに行くべきなのだろうか?
正直、今回のダンジョンをクリアして自信が付いたかというと、そうでもないんだよなぁ。
うーん、どうするべきか?
またみんなと相談してみようか。
「うーむ、そうじゃなぁ。ワシはもう許可証のダンジョンに向かっても良いような気がするのじゃ」
「ああ、俺君もそう思うぜ。難しいダンジョンがあんな感じなら、なんかもうやっていけるんじゃねぇかって気がするぜ」
「うむ、ボックもそんな気がするのである」
「どっちでも良いからのんびりしたいッス~」
「同志、許可証のダンジョンに行こうゲスッス!!」
みんな行っても良いと思うのか。
なら、行ってみるか!
まあ、今日は疲れたから、向かうのは明日だけどな。
では、町に行って休むとしようか。
この近くに『ビビカフ』という名前の町があると本に書いてあったな。
行ってみよう。
大きくなったシチローに乗って、町に向かった。
ビビカフ町に着いた。
町全体が城壁に囲まれている。
町中にはさまざまな建築様式の建物が並んでいる。
アスファルトと思われる道路があり、車やバイクのような乗り物が走っている。
普通の人と、ギャグ系魔法の購入者がいる。
アイダレ町とそう変わらない町だな。
他国に来たという実感が湧かないぞ。
まあ、どうでもいいか。
さて、まずは買取所を探すとしようか。
買取所を発見したので、白ローブの手斧などを売却した。
合計二〇万ジカァで買い取ってもらえた。
その後、食料を補充し、ビジネスホテルのような宿で一泊した。
次の日。
俺たちは町を出て、スローライフ許可証のダンジョンに向かった。
本に記されていた場所にやって来た。
荒野の真ん中に、コンクリート製と思われる五階建てのビルが二棟並んでいるぞ。
あれがスローライフ許可証のダンジョンなのかな?
行ってみよう。
おや?
ビルの入り口の上に、壁面看板があるぞ。
片方は、赤い看板に白い文字で『どんなアホでもスローライフ許可証の入手方法が分かるかもしれないダンジョン』と書いてある。
もう片方には、青い看板に黄色い文字で『スローライフ許可証発行所』と書いてある。
はぁっ!?
スローライフ許可証発行所だと!?
それって、ここに行けばスローライフ許可証が手に入るんじゃないのか!?
「同志、このスローライフ許可証発行所に入ってみるゲスッス!」
シャワイヤーも同じことを考えていたようだ。
「ああ、行こう!!」
俺たちはスローライフ許可証発行所の入り口に向かった。
あれ?
入り口が開かないぞ?
自動ドアっぽいのに近付いても反応しないし、ノックして呼びかけても応答なし!
さらに扉を押しても引いても、ビクともしないぞ!?
これはどういうことなのだろうか!?
「同志、下がってくれゲスッス! ここはおいらの炎で溶かしてやるゲスッス!!」
「ええっ!?」
俺は急いでその場を離れた。
その後、シャワイヤーは入り口の扉に向かって、炎を放射した。
火炎放射器のようなすさまじい勢いの炎が扉に命中した。
やったか!?
な、なんだと!?
あの炎で傷ひとつ付いていないだと!?
なんて頑丈さなんだ!?
これはどうやって開けるんだ!?
やはり隣のスローライフ許可証のダンジョンをクリアするしかないのか!?
仕方ない、大人しくそうするとしようか。
俺たちは隣のビルに向かった。
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