第52話 ボスラッシュ
「同志、ボスを倒したのに記念品が出て来ないゲスッス!!」
「えっ? 確かにそうだな。どうしたのだろうか?」
それにファンファーレみたいな音楽も鳴らなかったし、紙吹雪も降ってこないぞ。
これはいったいどういうことだ?
まさかあの洗剤が記念品とか言わないよな?
「ハヤトよ、あやつは最奥のボスではないのかもしれんぞ」
「あり得るな。もしそうなら、先に進む道がどこかにあるはずだ。探してみよう」
俺たちはボス部屋の中をくまなく探した。
しかし、見つからなかった。
なら、外にあるのか?
俺たちは部屋を出た。
すると、上り階段の隣に下り階段が出現していた。
こんなもの、ここに来た時はなかったはずだよな。
とすると、ボスを倒すと出てくる仕組みなのか。
ダンジョンには、こんな仕掛けもあるんだな。
では、下へ行ってみようか。
地下二階にやって来た。
先程と同じ構成だな。
周囲は洞窟、あるのはボス部屋と上り階段だけだ。
ここはボスと連戦する必要があるダンジョンなのか?
まあ、進んでみれば分かることか。
では、ボス部屋の扉を開けてみよう。
部屋の中も先程と変わらないな。
広大な洞窟の一室だ。
部屋の中央には、ボスと思われる人の顔が付いた釣鐘のような形の何かがいるぞ。
あれは確か拷問器具のアイアンメイデンじゃないか?
あれがここのボスみたいだな。
どんな攻撃をするのだろうか?
中にある針を飛ばしてくるとか、扉を開けた状態にして突進して来て、無理矢理中に入れようとするとかなのか?
可能性はありそうだな。
注意しておこう。
では、戦ってみるか。
部屋に入ると、アイアンメイデンが二台になった。
やはりあいつらがボスで間違いないようだ。
「らっしゃっせー、よく来たな人間よデンデン!」
アイアンメイデンが気さくな感じで話しかけてきた。
「記念に私の中に入ってみないかデンデン?」
アイアンメイデンが自身の扉を開けて、そう言った。
中には長い
やはりあれは拷問器具のようだな。
あれの中に入って、閉められたら死んでしまうだろう。
というわけで、答えは当然……
「お断りします」
となるよな。
「まあまあ、そう言わずに入ってみなよデンデン。実はこの釘はプラチナでできているんだよデンデン。今この中に入ってくれたら一本プレゼントしようデンデン」
「お断りだ」
そんなので入ってくれると思っているのか!?
このダンジョンのヤツらは、世の中を甘く見ているのではないだろうか!?
「欲張りだなぁデンデン。仕方ない、こうなったら、釘をもう一本サービスしちゃおうデンデン!! どうだい、入ってみないかいデンデン?」
「だから、いらないっての!」
もういいや!
さっさと倒してしまおう!
俺はスローライフオーラ魔法の剣を出し、アイアンメイデンを斬って倒した。
もう一体はシャワイヤーが倒していた。
その後、アイアンメイデンの解体をした。
奉納部位は顔の部分だそうなので回収した。
釘がプラチナというのはウソで鋼でできているらしい、いちおう買い取ってもらえるそうなので回収した。
そういえば、またファンファーレも紙吹雪も記念品も出て来ないな。
ここも最奥ではなかったのか。
では、先に進む道を探してみようか。
また上り階段の隣に下り階段が出現していた。
では、下へ行こうか。
地下三階にやって来た。
ここも上の階と同じだな。
洞窟にボス部屋と上り階段があるだけだ。
ここはボス戦が続くタイプのダンジョンみたいだな。
では、ボス部屋を覗いてみようか。
中も他の階と同じようだった。
部屋の中央には、木製と思われる水車がある。
あれがボスなのか?
どんな攻撃をしてくるのだろうか?
水を飛ばしてくるのかな?
警戒しておこう。
では、行こうか。
部屋に入ると、水車が二基になった。
やはりあいつらがボスのようだな。
ボスに近付くと、はりつけになってみないかと誘われた。
このダンジョンのボスは、こういうヤツしかいないのかよっ!?
断ると栄養が豊富に入っているサプリメント百年分をプレゼントするからやって欲しいと言われた。
当然断って攻撃し、水車を倒した。
そして、水車を解体した。
奉納部位は水車の軸らしいので回収した。
他は買い取ってもらえないそうなので放置した。
サプリメントは本当に栄養豊富で、俺が飲んでも問題ないらしいのでもらっておいた。
後で飲んでみよう。
そういえば、また記念品が出なかったな。
まだ先があるのか。
またいつもの場所に階段が出現しているのかな?
行ってみよう。
またまた上り階段の隣に下り階段が出現していた。
では、下へ行こうか。
地下四階にやって来た。
ここも他の階と同じく洞窟のような空間に、ボス部屋、上り階段があるだけだ。
では、またボス部屋を覗いてみようか。
中は他の階と同じだった。
部屋の中央には大きな釜がある。
直径二メートルくらい、高さ二メートルくらい。
人間が入れそうなサイズだ。
今度はあの中に入ってみないかと誘われるのだろうか?
まあ、そんなのどうでもいいか。
さっさと倒してしまおう。
部屋の中に入ると、釜が二口に増えた。
どうやらあいつらがボスで間違いないようだ。
「むっ、人間が来たかマカマカマ……」
釜が話しかけてきた。
さて、今度は何で誘ってくるのだろうな?
「死ねマカマカマ」
釜がそう言って、宙に浮き、猛スピードで突っ込んで来た。
な、なんだと!?
こいつは攻撃してくるのかよっ!?
しかも、死ねだと!?
殺意高いな!!
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