第44話 新たな魔法とシレモン探し

 部屋に戻って来た。


 まだよポイントが残っているし、他の魔法も購入しよう。


 以前購入しようと思っていたファーストライフオーラ魔法を購入してみようかな?


 そういえば、これはどんな魔法なんだっけ?


 ちょっとマシローおじさんの魔法入門書で調べてみるか。



 『ファーストライフオーラ魔法』


 ファーストライフオーラを消費し、さまざまなことができるようになる魔法。


 身体能力を向上させる。

 光線のように撃ち出す。

 剣などの武器を形成する。


 といったことができる。


 お値段一五〇〇よポイント。


 マシローおじさんの評価。


 ファーストライフオーラをどれほど所持しているかによって評価が変わる魔法。


 大量に所持している場合はとてつもなく強力、まったくない場合は購入する価値のない魔法になる。


 自身がどれだけファーストライフを望んでいるのか、よく考えて購入しよう。


 ファーストライフオーラを消費した場合、仕事を休んでゆっくりしたくなる。


 仕事に影響が出る可能性があるので、注意して使用した方が良い。


 ファーストライフが重要だと考えている方は、アイデンティティの崩壊を招く可能性があるので要注意。


 よポイントを支払うことで、ファーストライフオーラの消費量を減らすことができる。


 出した武器は一〇分経過すると消える。

 よポイントを支払うと、時間を延長することができる。


 購入しても姿は変化しない。


 使用者たちの評価。


 ファーストライフオーラさえあればすさまじく強力だけど、なくなると弱体化して役に立たなくなる。

 使い続けていると、仕事をしたくなくなってきて生活に影響が出る。


 ファーストライフオーラが少なかったようで、あまり役に立たなかった。

 仕事を休んだらクビになって彼女にフラれた、これはクソ魔法。



 こういう魔法なのか。


 スローライフオーラ魔法とほぼ同じことができるんだな。


 では、購入しよう!


 ワライトールショッピングウィンドウを開き、購入した。


 これでスローライフとファーストライフが両方備わったから、最強になったのかな?


 どうなんだろうな?


 とりあえず、使ってみよう。



 まずは剣から出してみようか。


 スローライフオーラ魔法と同じような大きさの赤い半透明の剣が出て来た。


 刀身の中央に紺色の文字で『ふぁ~すとらいふ』と縦書きされている。


 こいつにも刀身に文字が書いてあるのか!?


 カッコワルイなぁ。


 まあ、いいか。

 試し斬りしてみよう。



 外に出て、草を斬ってみた。


 スローライフの剣と同じくらい、よく斬れるんだな。



 あっ、剣が消えた。


 一〇分経過したみたいだな。



 では、次は身体能力の強化をしてみようか。


 ん?

 あれ?


 変化がないな?


 なぜだ?


 もしかして、ファーストライフオーラがなくなったのか?


 まあ、ファーストライフなんて、まったくやりたくないから仕方ないか。



 まだよポイントがあるし、他の魔法を見てみようか。


 神鑑定とアイテムボックスの強化を購入しようかな?


 このふたつはあった方が良いからな。


 よし、購入決定だな!


 合計二千よポイントを払い、購入した。


 神鑑定は七分で終わるようになり、アイテムボックスは七箱増えて、合計一八箱になった。


 これはありがたいな!


 まだよポイントが残っているけど、これは取っておくか。



 次の日。


 俺たちは学校の資料室にやって来た。


 では、四文字ランクのシレモンの居場所と、スローライフ邪魔し隊の情報を探そうか。



 『シレモンをなめ回すように観察する部のシレモン観察記・アイダレ町周辺版』という本を発見した。


 シレモンをなめ回すように観察する部!?


 なんだその変態の巣窟みたいな部は!?


 なんでこんな部活があるんだ!?


 意味が分からん学校だな!?


 まあ、いいか。

 これを読んでみよう。



 『釣り場ダンジョン』という各階層に大きな湖があって、釣りが楽しめるダンジョンがあるらしい。


 そこの地下三階で釣れるシレモンと、最奥のボスが四文字ランクだというウワサがあるらしい。


 ハッキリしない情報だなぁ。


 シレモンの詳細も書かれてないし。


 なめ回していないのかな?


 ダンジョンの場所は描いてあるのか。


 そう遠くないようだし、ここに行ってみようかな?


 ん?

 注意点があるようだ。


 このダンジョンでは釣り竿ざおで釣らなければいけない、投網が禁止だそうだ。


 違反すると湖のシレモンが、いっせいに襲いかかってくるそうだ。


 訳の分からんルールがあるなぁ。


 まあ、いいや。

 読み終えたら釣り竿を買いに行こう。


 他の情報はないみたいだな。


 では、次の本を探そう。



 目ぼしいものは見つからなかった。


 スローライフ邪魔し隊の情報もなしか。


 では、次の目的地は釣り場ダンジョンにしようか。


 釣り竿を買いに行こう。



 釣具屋にやって来た。


 四文字ランクのシレモンを釣るためには、どんな竿さおが必要なのだろうか?


 うん、まったく分からんな。


 こういう時は、素直に店員の方に聞いてみるか。


「すみません。釣り場ダンジョンというダンジョンで、四文字ランクのシレモンを釣りたいのですが、何が必要ですか?」


「いらっしゃませ~。そうですねぇ、この十二万ジカァの竿セットがオススメですねぇ。針やおもりなどの必要なものがすべて付いてますので、餌を付ければすぐに釣りができますよ」


 店員に長さ三メートルくらいの黒い竿と、幅四〇センチ、高さと奥行きが三〇センチくらいの、釣り具用の小道具入れを勧められた。


 かなり高いけど買えなくはないな。


 釣りの道具はよく分からんし、これで良いか。


「オススメの餌は、こちらの練り餌になります!」


 『人間の足の裏の香り』と書いてある青い袋と『人間の汗の香り』と書いてあるショッキングピンクの袋に入った餌を勧められた。


 なんだこれは!?


 なんで足の裏と汗の香りなんだよっ!?


 シレモンは人間を狙うからなのか!?


 まあ、いいや。


 これも買っておこう。


 竿セットと二種類の餌を買い、店を出た。



 後はシチローに取り付けるベルトを買いに行こうか。


 良さそうなものはなかったので、長いロープを買ってみた。


 これで体を固定すれば、なんとかなるかな?


 では、後は水と食料を買い足して帰るか。

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