第26話 地下一階と次の準備

 さて、クゥーネとリョールの様子はどうだろう?


 ん?

 クゥーネが落ち込んでいるような気がする。


 声をかけてみるか。


「このヤドカリ、中身が綿だった…… これは食べられない…… 失望した……」


 食うことばかりだな、こいつ!?


 では、リョールの方はどうだろう?


 どうやら無事倒したみたいだ。


 なぜか周囲に鱗が散らばっているけどな。


 わざわざ鱗を取ったのか?


 なんのためにそんなことをするのだろうか?


 意味が分からんな。


 まあ、どうでもいいか。



「全員終わったようだな。では、先に進もう」


 俺たちは先に進んだ。



 この日は地下一階を探索した。


 さまざまな服屋を名乗る何かがあった。


 ペンキを服扱いしていたり、紙袋を服と言い張っていたり、一流の人間なら見える服を売っている全裸のマネキンがいたりした。


 ダンジョンはすごいなぁ、と思いました。



 そして、授業を終えダンジョンから出て来た。


「次の授業は五日後に行う。集合時間と場所は今日と同じだ」


 なんでそんなに間が空くんだ?


「今度はダンジョンの最奥に向かう。日帰りは不可能なので、野宿する用意をしてくるように」


「何泊分必要ですか?」


「二泊の予定だが、念のためにもう少し多めに持ってきた方が良いだろう」


 なら、三泊分くらいで良いかな。


「分からないことがある場合は学内にある資料室で調べるなり、職員室にいる教師に聞くなりしてくれ」


 そういう場所があるのか。


 明日はそこに行ってみようかな。


「それからダンジョンに入る場合は、地下一階から下には行かないように」


「ダンジョンに入って良いのですか?」


「受付で申請すれば入ることができる」


 ほう、そうなのか。


 なら、ダンジョンで稼ぐのもありだな。


「質問はもうないな? では、解散!」


「お疲れ様でした!」


 さて、奉納とシレモンの売却をしようか。


 今日は店員のシレモンを六体倒したからな。


 六〇よポイントと六万ジカァを手に入れた。


 毛生え薬は一缶千ジカァで買い取ると言われたが、売らなかった。


 何かの役に立つかもしれないからな。


 さて、孤児院に帰るか。



 孤児院に着くと、ちょうど夕飯ができ上がっていたので、いただくことにした。


 そこで院長に、次の授業に何を持って行けば良いのか聞いてみた。


「そうだねぇ。保存食は必要として、後は寝具かねぇ? その辺はお店で聞いた方が良いかもしれないよ」


「なるほど、そうします」


 明日は店に行ってみるか。


 院長にダンジョン関連のものを売っている店の場所を聞いた。



 次の日。


 院長に教えてもらった店にやって来た。


 日本のアウトドアショップみたいな場所だな。


 では、さっさと買い物を済ませてしまおう。



 店員さんに必要そうなものを聞いた。


 枕、敷物、毛布、缶詰三日分を買った。


 お値段は七万ジカァだった。


 さて、買い物も終えたし、次は学校の資料室に行ってみるか。


 目的のダンジョンの場所を調べないといけないからな。



 学校の資料室にやって来た。


 本の詰まった本棚が大量に並んでいる。


 読書用のテーブルと椅子も複数ある。


 では、調査開始といこうか。



 おっ、これは!?


 『ダンジョンのことがそれなりに書いてある本』というタイトルの本があるぞ!


 それなりなんて書いてあるけど、分厚い大型の本なんだな。


 かなりの情報が書かれていそうだ。


 よし、これを読んでみようか!



 『神に至る黄昏の軌跡・激辛げきから味噌みそ味ダンジョン』


 世界一攻略が難しいと言われているダンジョン。

 ただ、誰がそれを言い出したのかはハッキリしない。

 まあ、結局よく分からないダンジョン。


 チクイスロードルート国にある。


 なんだこれは!?


 なんで激辛味噌味なんだ!?


 意味が分からんところだなぁ。



 『かみに至る黄昏の軌跡・激辛げきから醤油しょうゆ味ダンジョン』

 『かみに至る黄昏の軌跡・激辛豚骨味ダンジョン』

 『かみに至る黄昏の軌跡・激辛塩味ダンジョン』

 『加味かみに至る黄昏の軌跡・激辛チーズ味ダンジョン』

 『香美かみに至る黄昏の軌跡・激辛すぎて味が分からなくなるダンジョン』


 神に至る黄昏の軌跡・激辛味噌味ダンジョンの類似品。

 結構難しい。


 チクイスロードルート国にある。


 おい、こらっ!?

 なんだこれは!?


 なんで類似品なんて作っているんだよっ!?


 意味が分からなさすぎるだろ!?



 『ダンジの造った特製大盛りダンジョン』


 ダンジという方が造ったと言われているダンジョン。

 ダンジという方が誰なのかは不明。


 そこそこ難しいらしい。

 チクイスロードルート国にある。



 『ダンダンダンジョジョジョダンジョン』


 割と普通のダンジョン。


 チクイスロードルート国にある。



 『ぬめぬめヌチャヌチャぼこぼこゲコゲコぺたぺたボットンダンジョン』


 ダンジョンという名の水たまり。

 なぜかダンジョンと呼ばれているので、いちおう記載しておく。


 チクイスロードルート国にある。



 『初心者に優しい・ラブ・アルカディア・ダンジョン』


 難しいダンジョン。

 殺意高すぎ。

 名前にだまされてはいけない。


 チクイスロードルート国にある。



 『死線の暴発・インフィニティ・パニッシュメント・サンクチュアリ』


 普通のダンジョン。


 チクイスロードルート国にある。



 変な名前のダンジョンがいろいろあるなぁ。


 誰が名付けているんだろう?


 まあ、そこはどうでもいいか。


 それにしても、チクイスロードルート国はダンジョンがありすぎじゃないか?


 なんでこんなに固まっているんだろうな?


 よく分からん世界だな。



 『どんなアホでもスローライフ許可証の入手方法が分かるかもしれないダンジョン』


 そんなに難しくはないけど、攻略するとスローライフ邪魔し隊に狙われるようになる。



 おっ、発見したぞ!!


 このダンジョンもチクイスロードルート国にあるのか。


 よし、準備ができたら、この国に出発だな!!

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