(四)
ひと月後、仕事中に着信があった。
電話に出ると、直江津総合医療センターの看護師さんからだった。
母が倒れて救急車で搬送され容態が悪いので、すぐに来て欲しいとのことであった。
だからあれほど言ったのに。一緒に大阪へ来るなり、老人ホームに入るなりすればこんなことにはならなかった。
俺は新大阪から山陽新幹線に乗り、広島でバスに乗り継いだ。
石見直江津駅前でバスからタクシーに乗り換えて病院に向かった。
直江津総合医療センターはこの地域で最新の病院だった。敷地は海のそばの高台に建っていた。駅からは遠いが広い敷地に新しい複合の医療施設が建ち並んでおり、一部の建物はまだ建設中だった。
その病院の総合受付に向かい、母の名前を告げて病室を教えてもらい、すぐに向かった。東三号棟の五階517号室だという。
(続く)
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