(三)-3

「バカ言うな!」

 母は再びそう言った。繰り返し何度も母に言ったし、畑も他の農家に譲るなどしようとも言ったが、結局母は首を縦には振らず、頑としてここに残ると言い張り続けた。

 だから俺はついに頭に来て「だったら好きにしたらいいだろ」と怒鳴った。

 母は「ああ、好きにするよ」と黙々と飯を食った。

 俺は腹立たしくて飯を止めて席を立った。

 俺は居間を出て、昔俺が使っていた部屋に戻った。


 翌日、俺は実家を出た。母は朝早くから畑仕事に出て行っており、挨拶しなかった。

 俺は朝起きてもむかっ腹が収まらなかった。なにかあったら電話で話せばいいし。そう思って挨拶せずに大阪に帰ることにした。


(続く)

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