第4話

「 ウゥ~~ッ! 」


私はすべり台の影で立ち止まった。


そこにはしゃがみこんで泣いている男の子がひとりと、その男の子を前に同じくらいの小学生の子が3人


そして


泣いている男の子の前に立って3人を威嚇しているまるすけの姿が見えた。


その状況を見て、頭に浮かんだことがある。


まるで昔の私みたい…


「 ワンッ!ワンッ!ウゥ~~ッ! 」


まるすけは吠えるのを止めなかった。


本能的にかばっているのだろうか


「 うわッ!なんだッこの犬ッ!バケモノの仲間か!? 」


バケモノ?


その少年は、まるすけを蹴ろうとしていた


それを見た私はキレた。


「 コラーッ!まるすけに!・何するのーッ!!」


私が叫びながら近づくと、少年達はみな振り返った。


「 うわーッ!?逃げろッ! 」


私を見たとたん、少年達は慌てて逃げて行ってしまったのでした。


しかし


1人だけ逃げ遅れた男の子は座ったまま泣いていた。


私は男の子に近づいて、同じ目線になるようにしゃがみこんだ。


そして男の子の肩にそっと手をおいた。


「 みんな行っちゃったよ・・きみは…

いかないの? 」


男の子の後ろを見ると黄色いランドセルのカバーが開いて、その周辺にはペンケースや教科書、ノートなどが散乱していた。




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