第2話

学校から家に戻ると私の唯一の楽しみが待っている。


それは、お友達とお出かけをすることです。


「 行ってきま~す 」


「 ワンッ 」


そうです


お友達と言っても人ではありません


3年前にうちにやって来た、名前をまるすけって言うわんちゃんです。


ポヤポヤの白い毛で、まんまるで、小さなクマさんみたいでとってもかわいいの。


「 ウゥ~ッ! 」


前から大型犬を連れた、いつものおじさんが近づいて来ました。


「 まるすけ? 吠えちゃダメだからね 」


小さな体にしては気が強く、自分より大きな相手でも逃げたりしない、そんなまるすけは私にとって心強い相棒です。


「 おじさん こんにちは 」


「 あいかわらず、まるちゃんは頼もしいねぇ、うちのジョンも見習ってほしいよ 」


「 くう~ン 」


「 ジョンくんは優しいんだもんね~ッ 」


「 ワンワンワンッ! 」


「 うわッ! 」


今度はおじさんに向かって吠え出した。


「 おじさん、ごめんなさい 」


私はまるすけを抱きあげると、作り笑顔のままその場を去った。


「 まったくぅ、しょうがないなぁ! 」


けれど…


私にもまるすけみたいな強さと勇気があれば・・・


まるすけの頭に自分の頬をなすりつけながら、私はそう思 った。


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