第47話 少しだけ平和になった世界で、最強の僕たちは静かに暮らしていきます。
あ、なんかある意味皇帝が宣言したとおり新時代の到来だな、と僕は思った。
実質的に露支那帝国が消滅したことで、各国は帝国への借款を嬉々として踏み倒していた。
また、借金のカタに1000年に設定された租借地がある国はそれも取り返していた。
そして、それまで迫害されていた現地人が逆に露支那人を迫害し始めた。
ん、僕は別に【リバース】使ってないけど、立場が逆転してるね。
最も過激だったのが、お騒がせ大統領として名高いガトルド大統領がいるフィリピンだった。
露支那帝国が事実上崩壊したのを受けて、超法規的措置にてフィリピン国内にいる露支那人に対する自国民の犯罪を一切問わないとしたのだ。
さらに生かして捕らえた場合に比べて殺害して当局に引き渡した場合には2倍の報奨金を出すことも表明。
これについては人権団体が非難声明を出したものの、人権団体が露支那から資金提供を受けていたことの証拠と、いままで露支那人からフィリピン人に対して行われていた人権侵害に対して口を噤んでいたことを指摘された。
そのうえでブチ切れたガトルド大統領は、人権団体がフィリピンに入国した場合、露支那人と同じ扱いをすると表明。
これらを真似する小国も現れ、世界には若干の混乱が生じた。
◇◇◇
僕が御堂さんから新たに受けた依頼は、日本海沿いの大陸の沿岸部分の浄化だ。
あと、もし他に日本に悪影響が及ぶようなことがあればその浄化。
実はやろうと思えば汚染地域の完全浄化はできる。
僕たちは魔力視によって汚染地域をはっきり見ることができる。
そして最高位の浄化魔法で試しに一部を浄化し、成功している。
「御堂さん、僕たちで手分けして全区域に浄化魔法をかけてきてもいいんですよ。大した手間じゃないですし、起動スイッチを押させてしまったのは僕の責任でもありますし」
「いや、いいんだ。そもそも露支那帝国をあそこまで増長させてしまったのは全世界に原因がある。それを君だけに押し付けるわけにはいかんよ。それに、汚染を浄化する汎用的な技術の開発を目標にすれば技術の発展につながるだろう。今の状況はこれまでのツケと、これからの発展のための必要コストだということだ」
そして御堂さんには言っていないが、僕が独自にやったことがある。
(【リバース】、露支那人の生殖可能性を反転する)
これで新しく露支那人が生まれてくることはない。
これは玲とナディアちゃんにしか言っていない。
玲は最初のパートナーで、ナディアちゃんは両親を殺されているから言ったんだけど。
この【リバース】を実行した理由は、将来の禍根を断つため。
いつだったか武藤くんのお父さんが言ってた加害者と被害者の無限ループを防ぐ。
各地に散らばった露支那人が集結して再び国を作って世界に復讐する。
そしてまた誰かが露支那を滅ぼして……
それから、いつの日にまた人口を増やして同じことを繰り返す可能性があるからね。
これは歴史を振り返れば当然だ。
特に愚かな歴史はなぜだか繰り返されるから。
そして、僕の子孫がまた復活した露支那帝国により被害を受ける可能性は絶対に防ぎたい。
これを御堂さんに言わなかった理由は、御堂さんの目標と合わないと思ったからだ。
たとえ露支那人がいなくなったとしても、妨害がなくなるだけで日本の発展が保証されるわけじゃない。
自力をつけての発展が最も望ましいに決まっている。
◇◇◇
物資の流通を本格的に行うことになった。
実験的に行っていたエリクサーの販売を本格的に行う。
SランクやSSランクの武器、防具などもレベルに応じてJEA本部で販売している。
また、神々のポーチも販売を解禁。
さらに経験の指輪といった取得経験値増加アイテムもリバースで増加率をアップさせた上で販売。
これで日本の探索が進むだろう。
◇◇◇
僕たちが2年生になって、また全国探索者総合大会の時期がやってくる。
僕たち強すぎるのでもう出場やめようかと思ったけど担任と校長から絶対出てくれ、と言われたので出ることにした。
そういえば優勝校の校長って特別ボーナスが出るんだっけか。
学校代表は、僕と玲とフランが出ることが分かってから誰も希望者はいなかった。
シングルは僕、チームは僕と玲とフランだ。
神奈川地方大会も当然優勝。
全国大会では、去年と同じくシングル決勝に渋谷高校の天光勇人(ジョブ【勇者】)が出てきた。
彼は去年の僕を意識してか、対戦相手を全部ワンパンしてた。
あれからさらに強くなったようだ。
けど、ごめん、僕の【森羅万象】の中には【魔王】のジョブ特性もあって、それは【勇者】の力を抑えるものなんだよね。
ちなみに【森羅万象】にある【勇者】の特性は抑えられていない。
というわけで彼も虚しく僕に負けていた。
心が折れないといいけど。
チーム戦も同じく決勝は渋谷高校が相手だったが当然勝って優勝。
これで二子玉高校は二年連続両部門で優勝。校長はニッコニコだったよ。
僕と玲とフランはこんな感じで高校生活を満喫。
三日月さんは相変わらず御堂さんの元で諜報のお仕事。対象はアメリカ。
共通の敵がいなくなったので、どうもアメリカ政府は日本を敵視する傾向にあるらしい。
アメリカの探索者協会はそれを抑えているけど、さて、僕の出番がないといいね。
それとそろそろ避妊魔法いらないんじゃないかと誘ってくる。
でもまだちょっと覚悟が……
ナディアちゃんは、御堂家で雇った家庭教師のもとで日本語を学び、いずれは日本の高校へ入れるように勉強中だ。
なお、国籍は日本に移した。
やはり御堂さんの権力は以下略。
僕たちのことを正確に知っているのは、御堂さんなどJEAの一部、信頼できる政府高官の一部だけ。
たまに政府から依頼が来るけど、御堂さんが選別してくれている。
こうして、最強な僕の平穏な生活が続いていく。
◆◆◆◆◆◆
いかがでしたでしょうか。
主人公最強で苦戦なし、修行編なし、ハーレムありを目指して私なりに書きましたが、うまくいったかどうかは読者の判断に委ねるのみです。
お読みいただきありがとうございました😊
少し時間をあけたあと、後日談を投稿するつもりです。
超絶インフレを起こして短くまとめるつもりでいます。
後日談につきましては限定近況ノートにて投稿します。
その後の状況によっては本編に掲載することがありえますのでご了承ください。
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