こつこつレベル上げ? 周回してレアアイテム? そんなことしなくてもすぐ最強! スキル【リバース】で苦戦しません!
第29話 レアジョブをたくさん得てもっと強くなります。あと、学校にテロリストが現れました。
第29話 レアジョブをたくさん得てもっと強くなります。あと、学校にテロリストが現れました。
翌日、観光してからロサンゼルスの空港で飛行機に乗って帰ってきた。
テレポートで帰れるんだけど、それだと出国と帰国の履歴が残らないからまずいらしいんだよね。
で、残りの国も同じような感じで各ダンジョンにこっそり潜ってきた。
ただ、アメリカより後のダンジョンはせっかくなので何日かけてその国の最高攻略階数まで昇ってきた。
その間毎日夜は3人でしていましたとも。
ただ、ちょっとなれというか飽きるというか、おいしい食べ物でも毎日食べてるともういいかな的な感じがしてきたので、【リバース】で異性経験を反転する。
するとびっくり、夜のアレが初めてするときみたいに新鮮で興奮するようになった。
で、賢者タイムになるたびに何でこんなことに【リバース】使ってるんだ僕は、と考え込む羽目に。
話が逸れたけど、ダンジョンに深く潜ることにした理由はレアジョブを鑑定するため。
そこまで行けるような探索者はたいていレアジョブを持っている可能性が高いだろうと思ったからだ。
僕たちでも取得条件を満たせそうなレアジョブで見つけたのは以下のとおりだった。
・【復讐者】
取得条件は非常に強い恨みを持つか、呪いの武具やアクセサリーを4つ同時に装備すること
・【侍】
取得条件は身を捧げるほどの忠誠心を持つか、物理攻撃職を4つ極めること
・【レッサーヴァンパイア】
取得条件は特定の血筋であること、または『呪われた十字架』を20個使用すること
・【重力魔法使い】
取得条件は先天的に持っているか、『ニュートンのリンゴ』を10個使用すること
最後に行った南アフリカから帰ってくると、さっそくこのレアジョブを取得することにした。
こんなことしなくても以前手に入れたことがある『レアジョブの書』を使えばいいじゃん、と思ったんだけど、実はレアジョブの書は再使用にインターバルがあって本人の最高レベルに依存するとあった。
もう一冊手に入れてレベル1の状態で使ってみたがレアジョブの書は消えるだけでジョブは手に入らず無駄になった。
多分現在レベルじゃなくてそれまでの最高レベルを参照しているんだろう。
まず御堂さんを通じてJEAにある呪いの武具とアクセサリーを4つ貸してもらって装備し、【復讐者】の条件を満たす。
で、呪い満載なので【ポープ】で使える『アンチカース』を玲に使ってもらい解呪する。
そして【リバース】により【復讐者】は【アヴェンジャー】に。
【侍】は、【ゴッドハンド】【聖騎士】【ルーンマスター】【アヴェンジャー】を極めたら出てきた。
【リバース】により【征夷大将軍】に。
残りはちょっとめんどくさい。
【レッサーヴァンパイア】に必要な『呪われた十字架』は、アンデットフロアで極稀に出てくるヴァンパイアロードが極まれに落とす。
というわけでアンデットフロアの346階でヴァンパイアロードを狩って『呪われた十字架』を集める。
【リバース】したら【真祖】になった。
【重力魔法使い】に必要な『ニュートンのリンゴ』は550階のボス地龍のレアドロップ。
これも550階まで行って地龍を狩ってきた。
【リバース】したら【グラビティワールド】になった。
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逆崎 翔 レベル99999(789)
ジョブ【無職】(【中級戦士】)
ユニークスキル【リバース】(なし)
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※( )は偽装の指輪により表示される内容
※ジョブ履歴(【ゴッドハンド】【聖騎士】【ルーンマスター】【賢者】【ポープ】【スペルカイザー】【忍者マスター】【ドラゴンテイマー】【万能錬金術師】【邪神の使徒】【神眼を持つ者】【時の賢者】【アヴェンジャー】【征夷大将軍】【真祖】【グラビティワールド】)
マスターしたジョブは16個。
あと4つで【勇者】になれるけど、まあ別になくてもいいかな。
玲も同じようにジョブをマスターしてもらった。
三日月さんは過剰戦力すぎるから、と遠慮した。
◇◇◇
side ???
我々の崇高なる目標達成の同志は集まった。
ダンジョン出現以来、腐りきっていくこの世界の不平等を正し、忌まわしき魔石文明など廃棄しあるべき姿に回帰するのだ。
そのために我々より優れた探索者など不要。特に世界裏ランキング1位と2位を血祭りにしなければならない。
そのとき、世界は我々の存在を認識し、恐れひれ伏し跪き許しを請うだろう。
雌伏のときはもうすぐ終わりを迎える。
男は自らのもとに集まった者たちの前に告げる。
「諸君、私はこの世界の平等を懇願している。
諸君、私は古き良き時代の文明への回帰を渇望している。
貴様らも私と同じ信念を持っていると信じている。
我らを世界の片隅に追いやった者たちからもう一度世界を取り戻すのだ!
行け、来たる日の栄光のために! この日のために磨いたジョブとスキルを使い腐りきった人面獣心の者共を蹂躙するのだ!」
そこかしこから歓声があがっていた。
◇◇◇
期末テストが近付いてきた11月中頃。
住宅街から離れた山の中にある東京第一魔石発電所。
魔石のエネルギーを取り出す技術が確立して、従来の発電所はほとんどが魔石発電所に置き換えられた。
もうエネルギーとして電気はあまり使われていないが、発電所という言葉は相変わらず使われている。
探索者であればBランク相当の実力がある警備員が周辺を警戒していた。
「ったく、何も起きないから楽でいいんだが、体が鈍っちまうぜ」
「やめろよ、そんなこと言うと何か起きるかもしれないだろ」
「起きねえよ」
「起きたらどうするんだよ。この魔石発電所は関東のエネルギーの6割を供給してるんだぜ」
「へえへえ、知ってますよ。もっと肩の力抜いていこうぜ、相棒」
二人ペアの警備員が歩いていると、すっと人影が現れる。
「おい、まさかな」
「ほら、言ったそばから。おいお前、ここは立ち入り禁止だ。早く立ち去れ。でないと痛い目を見るぞ」
現れたのは濃緑色のローブにマスクをした人間。
「ここが魔石発電所…… 破壊スル!」
「おいおい、向こうはやる気満々じゃねーか!」
「ぼやくな、警告はしたぞ、死んでも恨むなよ!」
二人の警備員が一人の侵入者と戦う。
しばらく争ったあと、警備員が取り押さえようとしたところ……
「ちっ、往生際が悪い奴め、くらえ旋風槍!」
警備員の持つ槍が小さな旋風を起こしながら侵入者を貫く。
そして終わったかと思ったが……
「自爆スル」
侵入者が抑揚のない声で自爆を告げる。
「やばい、逃げるぞ!!」
「だめだ、間に合わない!」
直後、轟音とともに侵入者が自爆し大爆発が起きる。
そして魔石発電所を囲っていた強固な外壁の一部がごっそりとなくなっていた。
侵入者と槍を突き刺した警備員の姿はなかった。
「くそっ、なんなんだ! とにかく連絡しなければ!」
血だらけで生き残った警備員は魔石を使わない旧式のトランシーバーを取り出し、応援を求める。
直後、同じような爆音が反対側の外壁あたりから聞こえてきた。
「ちきしょう、あっちもかよ」
さらに、ゾロゾロと現れる侵入者。
みな濃緑色のローブにマスクをしている。
死を告げる部隊に見えた。
一斉に向かってくるため一人では対応できるはずもなく、次々と内部への侵入を許してしまう。
そしてしばらくして内部で大爆発が起きて、魔石発電所が崩れていった。
◆◆◆◆◆◆
次回はちょっと話を遡って違うルートを投稿する予定です。
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