いけにえのあの子

むぎ

プロローグ

重苦しい雲が頭上に佇み、

ゴロゴロと音を立て、

雨粒が勢いよく地面の砂利に降り注ぐ。


それはさっきまでのくすみはなくなり、ライトで照らされキラキラと輝いている。


一見幻想的にも思える


だが、それとは不釣り合いにパトカーの音が鳴り響き、

警官たちの足音が近づいてくる。



____なんでこうなってしまったのか。



男は足元に横たわる女性を見て、足の力が抜けたようにその場に膝をついた。


「どうして、、、」


か細い声は、雨の音で誰にも届くことはなかった。

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いけにえのあの子 むぎ @26260311

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