第14話 イチャイチャと願い
女性との、うん。
何というか.....異性との付き合いは難しいものだ。
俺は考えながら顎に手を添えつつ夜中を迎える。
するとゴソゴソと音がした気がした。
目を開いて横を見る.....ファう!?
びっくりだ!?
「.....エヘヘ。.....お兄ちゃん」
「.....な、何を.....一葉!?」
「お兄ちゃんに対して.....告白した身だから。こういうのもアリだよね。絶賛サービスで」
「.....ま、まあそうだが.....だからと言ってベッドに潜り込むっちゃお前!」
「.....何?嫌なの?」
頬を可愛らしく膨らませてそして俺を見てくる一葉。
俺はその姿を見ながら赤くなりつつ、いや、と答えた。
そしてこんな事を切り出す。
昔の事を少しだけ.....思い出した、と。
すると一葉はビクッとした。
「.....それって私がお兄ちゃんに鬱憤ばらしにやっていた様な.....時の事?」
「.....そうだな。.....でもお前は十分に反省している。.....だから簡単に言っちまうとな。俺はお前を良い奴だって見ている」
「.....!」
「.....一葉?」
真っ赤になっていく一葉。
そして顔を背けた。
それから心臓をバクバクさせる様な。
そんな感じで俺から少しだけ離れていく。
俺はその事にまた赤くなる。
「.....一葉」
「な、何?お兄ちゃん。今はちょっとマズいかも。恥ずかしいから」
「.....そうか。じゃあ少しだけ話して良いか」
「.....何?」
「俺な。お前に告白されて良かった」
その言葉に更にビクッとする一葉。
そして熱が帯びてくる。
俺はその姿を見ながら天井を見上げる。
本当に良かったんだ、と呟きながら。
「.....俺な。お前に嫌われていると思って一生懸命に色々したんだ。だけど結局きっかけも何も掴めなくて。その中でお前は俺に対して.....こうやって接してくれた」
「.....ずるいよ。お兄ちゃん。そんな言葉攻め.....私は.....恥ずかしい」
「だってお前の事はとても大切だ。義妹としてな。.....だからこれからも宜しくな」
「.....昔の事.....置いてでも?」
「そうだな。昔は昔。今は今だから。.....そんなに気にする事じゃない。お前だって苦労していたんだからな」
お兄ちゃん。ゴメン。それ以上は恥ずかしいかも、と言いながら。
プシューと蒸気を発する一葉。
耳まで真っ赤になっている。
そして静かになる俺達。
すると数分経ってからこんな声がした。
「.....でもお兄ちゃんがそう思ってくれて.....嬉しい」
「.....そうか」
「.....お兄ちゃん。やっぱり大好き」
「赤くなる様なセリフを吐くな。全く」
俺は赤くなりながらそのセリフを聞く。
すると顔をこっちに向けてきた。
その顔の目は潤んでいる。
何というかキスが出来そうな距離である。
目を閉じる一葉。
「.....一葉。御免な。それは出来ない」
「.....うん。やっぱり?」
「.....そうだな。好きになったらしてやりたい。今は.....俺は.....」
「うん。ゴメン。あまりの状況にやってしまった。御免なさい」
「.....大丈夫。.....でもな。一葉」
きっと俺いつか答え出すから、と言い聞かせる。
それから天井をまた後頭部に手を添えて見た。
そして俺は目を閉じて考える。
すると一葉は、待ってる、と答えた。
俺は確認すると一葉は笑顔を浮かべている。
「.....寝よっか。お兄ちゃん」
「そうだな。.....寝るか」
だが何を思ったか一葉は俺に縋る様にしてくる。
そして俺を見上げてきた。
それから、えへ、エヘヘ、と言ってくる。
恥ずかしい事もしないと魅力に該当しないよね、と言いながら。
俺は真っ赤になりながら、オイオイ、と言う。
「お前な。恥ずかしいって言っているだろ」
「分かってる。.....私だってこんなの.....真面目に恥ずかしいんだよ?」
「.....耳まで真っ赤にしているしな」
「.....そう。だから耐えてお兄ちゃん。私もこの恥ずかしさに耐える」
「あのな.....修行僧か何かか俺達は」
だがいつの間にか。
一葉と一緒なのが心地良かったのかそのまま俺達は寝ていた。
そして翌日になり俺は花梨にそれなりに怒られる。
何で一緒に寝ているの、的な感じで、だ。
俺は苦笑しながらその顔を見ていた。
そして俺は2人に、今日図書館に用事があるから、と言い聞かせてから。
それからそのまま約束の場所に向かう。
それは雪色の待つ公園だ。
今日花梨は帰るって言ったけど.....本当かな?、と考えながら。
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