第12話 突然の告白

何でか知らないがこの家に花梨が泊まる事になった。

俺はその事に対しては文句は無いのだが。

いや花梨自身がきっと対応出来るから。

だから今は何も考えてはない。

言いたいのはそこではない。


先ず花梨は一葉と仲良く無いのだ。

そして花梨は過剰に俺にイチャイチャしているのだ。

俺はその事に関しては言い聞かせた。

それから今に至っている。


「.....あれだけ言ったのになお前.....」


「エヘヘ。とーお兄ちゃん♪」


「俺の記憶が無いから思い出させようとしているのか?お前は」


「そうに決まっているじゃん。とーお兄ちゃん」


「.....全く.....」


俺の部屋。

一葉がお風呂に入っている時。

ベッドに花梨が寝転んで.....いる。


そして胸チラとかして来ている。

俺は赤面して咳払い。

それから勉強を続ける。


「とーお兄ちゃん。この漫画面白いね」


「そうだな。面白いだろ」


「.....」


「.....」


何というか話が途切れる。

花梨は何か考えている様にニヤッとしているし.....怖い。

俺は考えながらそのまま盛大に溜息を吐いた。


そして俺は勉強を続けていると。

ふにゅん、と感触があった。

背中に花梨が胸を押し付けている。


「.....おい。花梨。言ったろお前。あまり近付くなって」


「.....そうだけどね。.....でもとーお兄ちゃん。線引きが曖昧だったよ?」


「まあ確かにそうだが。だけど.....やり過ぎは駄目だって言ったろ」


「これもやり過ぎ?」


「それはまあ.....そうだな」


私の中ではやり過ぎって思ってないけどなぁ、と言ってくる花梨。

それから、何を勉強しているの?とーお兄ちゃん、と話す。

胸を押し付けてきながら、だ。

こ、コイツ!


「花梨コラ」


「いやーん」


俺は花梨を持ち上げた。

それからベッドに移動させる。

そして漫画本を押し付ける。

駄目なもんは駄目って言ってんだろ全く。

と言いながらだ。


「もー。とーお兄ちゃんの馬鹿」


「仮にも俺はお前の彼氏じゃ無いんだから」


「.....じゃあ彼氏になってくれる?」


「馬鹿な事を言うんじゃない」


「.....良いじゃん。とーお兄ちゃん。私達、ピッタリだと思うよ?」


「駄目だって。全く」


俺は良いながら椅子に腰掛ける。

それからそのまま勉強をしていると。

電話が掛かってきた。

その相手は.....一葉である。

は?何だコイツ、と思って次に来たメッセージで青ざめた。


(下に来て)


「.....」


俺は冷や汗が噴き出た。

そして俺は、トイレに行って来る、と花梨に言い聞かせてから。

そのまま部屋から出てから下に向かう。

そうしてリビングのドアを開ける.....と.....。


「何やってんだお前は!!!!?」


「え、えへへ。お兄ちゃん.....バスタオル1枚の私ってのも良いでしょ」


「.....!!!」


裸でバスタオル1枚の一葉が立っていた。

そして俺の元に近付いて来る。

真っ赤になっている。

つまり簡単に言えば完全な誘惑だ。

俺は赤くなりながら、オイオイ!、と俺は慌てる。


「お兄ちゃんが.....花梨ばかり見ているから。私だって.....」


「お前な!そういう事をするな!」


「.....何が問題なの?私は.....エヘヘ。お兄ちゃんを誘惑してみたいし」


俺は美しい様なスタイルの良いその姿を見ながら赤くなる。

困った.....マジに困った。

これはどうしたら、と思いながら後退りして逃げようとした。

のだがソファに引っ掛かって床に尻餅をつく。


「何でそこまでするんだ!?」


「.....この境界線を破壊したくて」


「.....境界線!?」


「.....私は.....わ、私は.....」


いきなりやる気が失われたのか。

俺を悲しげに見てくる。

だが次の瞬間に勢い良く顔を上げてから。

それからジッと俺を見てくる。

私はね。お兄ちゃんが好きなの、と。


「.....!?」


「.....昔から。ずっと。好き。.....大好きなの」


「.....嘘だ.....ろ.....お前.....!?」


「私が嘘を吐くと思う?.....お兄ちゃんの事ね。結構前から好きだったんだから。良い加減に気付いても良いと思う」


「.....!?」


俺は真っ赤になりながら。

それはまさか.....小学校時代の!?

あの時から!?

と思いながら俺は赤面する。

そして、あの時から好きだったのか!?、と言う。


「.....先ずは服着るね。それから話す」


「.....あ、ああ」


「.....私はお兄ちゃんが初恋だった。.....初恋相手だった。.....だから好きなの。知っておいて欲しいかなって思った」


あの一葉が.....信じれらない。

俺が記憶を失ってとしてから.....こんな事になるなんて。

考えながら.....俺は汗を流す。

それから見ていると一葉は服を着た。


「.....このパーカーを見せたかった」


「.....どういう事だ?その服がどうしたんだ」


「これはお兄ちゃんに告白してから着ようと思った服なの。誕生日に買った。私が自分で」


「.....その白いパーカーがか?」


「そう。.....あー。でも何だか気が楽になった。.....告白ってスッキリするんだね」


言いながら赤くなって微笑みを浮かべる一葉。

俺はあまりの事に真っ赤になりながらその姿を見つつ。

そして俯いてから立ち上がると。

リビングのドアが開いた。


「何しているの?」


「何でも無いけど?花梨」


「.....???.....本当に?」


「.....あ、ああ」


何だか怪しい、的な感じで見てくる花梨。

それからジト目になって俺達をジッと見てくる。

だが一葉はすました様な顔で鼻歌を歌いながら洗面所に行った。

花梨が俺をジト目で見てくる。


「.....何も無かったんだよね?本当に」


「ま、まあな.....」


俺は赤くなりながらそのまま俯いて考えていた。

あまりの衝撃に.....言葉を失う。

突然の告白に。

どうしたら良いのだろうか、と思いながら俺は天井を見上げた。

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