第19話  シフターズ対ブレーメン 後編

「ええっ! 奴らも合体するんですか?」


敵が集合し、合体を宣言した事に驚くキシフターが驚く。


「敵が纏まるならば、我らも殿とひとつになれば良いだけです!」


アカシフターが叫び、ロボシフトする。


 「そうですよ、私達は負けません! ロボシフト!」


 アオシフターも、キシフターに激を飛ばしてからロボシフトする。


 「ウキッ! そうでしたね先輩方、私達と大将なら勝てる! ロボシフト!」


 キシフターも気合を入れてロボシフトした。


 「ケンケーン♪ キジ―達のロボシフト、見て驚け♪ ロボシフト♪」


 ミドシフターもロボシフトを行った。


 「そうだ皆、俺達が力を合わせれば天下御免のダイシフターだ♪ ロボシフト!」


 最後にシロシフターもロボシフトする。


 「こけっ! 奴らまだあんな切り札を持ってたのか?」


 鶏が驚く。


 「ブヒ~ン! こっちだって合体すれば行けるよ!」


 ドンキーが気炎を吐く。


 「そうだね、切り札だから使いたくなかったけれど」


 黒犬はため息交じりに覚悟を決める。


 「ちっ! 行くよお前達、ビッグブレーメンだ!」


 笑い猫から笑いが消えて、瞳が光る。


 「まずは私から、不倒の踏ん張り、驚きドンキー!」


 ドンキーが四つ這いになると、完全にロバの形に変形た上で巨大化した。


 そしてロバの頭が前垂になり、胴体が腰になり四本脚が纏まって巨大な二本足にと下半身を形成する。


 「正直、猫と合体なんて嫌だけど私が胴体犬は堅実」


 黒犬がドンキーの上に飛び上がり全身を変形させて胴体となる。


 「こっちもごめんだよ、お互い様さ!」


 笑い猫が犬の上、頭部と胴体が外れて頭部はそのままヘッドパーツで合体。


 頭と別れた胴体は、更に二つに分離して両腕となる。


 「トリはニワトリ~~~~♪ アイアムナンバーワン!」


 鶏が一番上、こちらも頭部と胴体が分離して頭部は猫の兜になり別れた胴体は背中に合体して翼となる。


 「我らが歌うは地獄の凱歌、ビッグブレーメン!」


 異形の悪の巨大ロボ、ビッグブレーメンが誕生した。


 「それがお前達の全力か、ならばこちらも愛する仲間達と手取り足取り一つとならん! ダイシフト!」


 シロシフターが叫ぶと同時に、祭り囃子が鳴り響く。


 ダイシフト♪ ダイシフト♪ 皆で合体、ダイシフト♪


 そしてシロシフターが変形し、頭部と胴体を司るコアとなる。


 ダイシフト♪ ダイシフト♪ 桃に手足がダイシフト♪


 「い~ざ行かん♪ 殿の下♪ 愛しい背の君守ります♪ 鬼が愛妻右腕です♪」


 ダイシフトの音頭に乗せて、アカシフターが美しい歌声で歌いながら右腕に変形して合体する。


 「御主人様大好きです♪ 左の足で支えます♪ 犬の八徳ご覧あれ~♪」


 アオシフターも歌いながら左足へと変形して、シロシフターに合体する。


 「お~猿さん左腕~♪ ムキムキ左腕で逞しく~♪ どんな敵も打ち砕く~♪」


 キシフターも歌いながら左腕に変形して、シロシフターに合体した。


 「トリは右足ケンケンパー♪ 雉が泣かせるぶっ放す♪ 鉄砲玉を受けて見ろ♪」


 最後にミドシフターが物騒な歌詞で歌いトリを飾り、右足へと合体した。


「「完成♪ ダイシフター♪」」


 ダイシフター♪ ダイシフター♪ 天下御免の巨大武者~♪


 皆の力でやっつけろ~♪


 ダイシフターが完成し、ダイシフト音頭も終わり見得を切る。


 「な、何だあの歌は? 全く身動きが取れなかったぞ!」


 ビッグブレーメンの頭飾りとなった鶏が叫ぶ。


 「これが歌と言うものだ♪ 我れら戦隊が一つになった事を寿ぐ祝唄、その名もずばりダイシフト音頭♪ 悪党どもには聞けば動きが止まる呪い歌よ♪」


 シロシフターが叫ぶ、ビッグブレーメン何するものぞ? ダイシフターの出陣だ♪


 海岸舞台の芸能祭りの場に、ビッグブレーメンとダイシフターの二体の巨人が相見える。


 「おっと、このままでは祭りの場が荒れてしまう! 結界展開っ!」


 シロシフターが語り、ダイシフターが胸の前で柏手を打ち全身から金色の光を放ちビッグブレーメンに当てる!


 すると、ビッグブレーメンとダイシフターがその場から消え今度は無人の祭り会場に姿を現す。


 「貴様一体、何をした~~っ?」


 笑い猫が叫ぶ、自分達が何もできずに連れ出された事に戦慄していた。


 「祭りの場を守るために、結界を張ってお前達を取り込んだ!」


 シロシフターが叫ぶ。


 「へっ、私らはお前ら悪党とは違ってこの世を守る為に暴れてるんですよ!」


 キシフターが敵を煽り叫ぶ。


 「私達も含めて、人々が楽しむ祭りの場を壊すわけにはまいりません!」


 故郷の村では巫女だったので、祭りは大事な物だったアカシフターも叫ぶ!


 世の為人の為、と言葉にもあるがその人の中には自分達も数に含めているのがブレイブシフターズだ。


 「あなた達みたいに、世を荒らして壊して人々を悲しませ苦しめるだけの存在と一緒にしないで下さい!」


 ブラックテイルの関係者に人生を壊されたアオシフターが、怒りを込めて叫ぶ。


 「キジー達ファミリーはお祭りが気に入ったから守る、邪魔者は許さない!」


 ミドシフターも叫ぶ、細かい理屈は関係なく好きな物を守る為に戦うだけだった。


 「……お前らも自分達の我儘か、人間臭くて嫌い」


 ビッグブレーメンのボディとなった黒犬が呟く。


 「ならお互いのワガママ対決だ♪ 頼むぞミド、キジデッポウ!」


 「ケンケーン♪ バンバンバ~ン♪」


 シロシフターの言葉にミドシフターが答える!


 ダイシフターの右足のキジの口が開けば機関砲が唸る!


 「ブヒヒヒ~ン♪ ロバの皮は丈夫なんだよ♪」


 ビッグブレーメンのドンキーが笑い、足を器用に動かして弾を防ぐ。


 「足を上げたな♪ ぶちかましだ!」


 相手の隙を見てダイシフターが突っ込む!


 ダイシフターの体当たりを受け、ビッグブレーメンは転倒した。


 「馬鹿ロバ、何やってんだ!」


 笑い猫が怒る。


 「ごめ~ん! ヒヒ~~ン!」


 慌てて立ち上がろうとするビッグブレーメン。

 

 「流石殿、見事な当たりです♪」


 「中学時代、相撲部でな♪ アカ、焼き払え!」


 「はい♪ アカオニファイアー!」


 敵が起き上がり呆気た所で、ダイシフターの右腕から火炎が吐き出される。


 「ぶにゃ~~っ! 鶏、消せ~~っ!」


 「コケ~~ッ!」


 鶏が風を起こして消火に当たるが、なかなか消えない。


 「お水ですよ、ワオ~ン♪」


 ダイシフターの右足から、超高圧の水流が発射される。


 「くそ! あっちの馬鹿犬、本気で殺す!」


 黒犬が口を開け、何かを吐き出そうとする。


 「汚いお口にロックですよ♪ モンキーストレート♪」


 ダイシフターの左拳が岩のグローブに包まれ、そこからボディブローが放たれた!


 黒犬が吐き出そうとした何かと、ダイシフターの拳の岩がぶつかり合い爆発する。


 爆発の衝撃で互いが吹き飛ばされて、仕切り直しの形になる両者。


 「敵もさるものですね~♪ ウキキ♪」


 「ああ、俺達は運が良い♪ 互角並の相手とぶつかり合える♪」


 「敵にしては良いファイトだったよ、でも勝つのはキジ―達だ♪」


 敵を認めつつ、それでも勝ちに行く姿勢を見せるダイシフター。


 「畜生、何を言ってやがる! 誰がお前らなんかに負けるか!」


 笑い猫が笑いを捨てて叫ぶ、ビッグブレーメンは先ほどの爆発以外ダイシフター側に打撃を与えられていなかった。


 「そうだぜ~♪ 勝負はまだだ、エッグボンバー!」


 ビッグブレーメンの鶏頭から、卵型の榴弾が飛んで来た!


 「赤鬼の金棒で打ち返します!」


 アカシフターの金棒を右手に持ち、フルスイングで打ち返すダイシフター。


 ピッチャー返しで打ち返された榴弾が、ビッグブレーメンに当たって爆発する。


 「この、馬鹿鶏が~~っ!」


 ヘッドである笑い猫の顔面が、真っ黒に焦げる。


 「何やってるんだよ、鶏の筋肉馬鹿~っ!」


 下半身として、懸命に味方を支えて奮闘しているドンキーも怒る。


 「……こうなったらもう遊びは終わりだ、お前ら全員食ってやる!」


 突如、ビッグブレーメンから笑い猫が分離して巨大な猫の頭となってビッグブレーメンを一気に飲み干した!


 「ちょっ! お前、自分のファミリーに何してんだよ!


 ミドシフターが激怒する、敵とは言え仲間を大事にしない奴は仲間を大事にする彼女には許せなかった。


 「ニシシシシ♪ ようやく笑えたよ、こいつらはワルジーの奴の失敗作さ♪ あのジジイをクビにした後で、私が拾って手下にしただけだよ♪」


 笑い猫が、ブレーメン達の素性を語る。


 その言葉に、アオシフターの動きが止まる。


 「つまり、お前がアオシフターの不幸の原因か? 運が良いな、ならばお前も仲間の仇だ打ち取るぞ皆っ!」


 シロシフターが怒りを燃やす。


 「まさか、こんな所であのワルジーの名を聞くとは思いませんでした」


 アカシフターも闘志を燃やす。


 「ほうほう、そいつはキッチリ仕返ししませんとねえ♪」


 キシフターも全身を放電させて笑いながら怒る。


 「ガッデム! お前も、アオのパパとママの仇だったのかよ!」


 ミドシフターが更に怒る。


 「なるほど、あなたも遠因ですか? 絶対に許しません!」


 アオシフターが宣言した。


 「ニシシシシ♪ 何だお前ら、ワルジーの被害者の集まりか♪ ざまあだね♪」


 笑い猫が空に浮かぶ月と己を重ねて大笑いする。


 「黙れ外道、やはり貴様らブラックテイルの一味は許せん!」


 「だったらどうするよ、馬鹿共? 悔しかったら、ここまでおいで~♪」


 笑い猫が調子に乗ってダイシフターを煽る。


 「ようし、ならば見せてやろう♪ お・ど・ろ・け~~~~っ!」


 シロシフターが叫ぶと、五十メートルのダイシフターがさらに大きくグングンと巨大化して行く。


 その身の丈は、百倍の五キロメートルに迄巨大化した。


 「な、何だそりゃ~~~っ!」


 笑い猫は大口を開けて驚いた。


 「覚悟しろ、俺の中の鬼神の力と皆の想いがダイシフターをデカくした♪」


 ダイシフターが見得を切る。


 「そんな物、見掛け倒しに決まてる~~~っ!」


 破れかぶれになった笑い猫が、ダイシフターに突進して来た。


 「ヤチオノオオタチ、最大大成敗っ!」


 こちらも巨大化したヤチオノオオタチが大上段に構えられ、突っこんで来た笑い猫に振り下ろされる。


 一刀両断、それはまるで月を切ったかの如し。


 笑い猫は、断末魔の悲鳴を上げる事もなく爆散したのであった。


 「「これにて、一件落着♪」」


 全員で決め台詞を叫ぶダイシフターであった。

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