出会い編⑥
そうこうしているうちに、いつの間にか最前列に来ていた。クラスは毎年恒例で、AからD組の4クラスだ。A組から目を通していくと、C組の13番に「小泉蓮」の3文字が無機質に並んでいた。
クラスが分かったので、正面玄関から昇降口の方に向かう。別に何の期待もなかったので、特に感想がない。教室に入ったら、どうやってやり過ごそうか。そんなことをぼんやりと考える。黙々と歩いて行く蓮の背後では、同じクラスだねと無邪気にはしゃぎ合う声が嫌に大きく聞こえていた。
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