出会い編⑤

 正面玄関は沢山の生徒達でごった返していた。蓮はその群れの中に足を踏み入れたくはなかったが、人が捌けるのを待っていても仕方がないので、ジリジリと前の方に進んでいった。

 見終わったなら早く退いて欲しいものだ。なかなか、人が減る様子がなく、嫌気が差してくる。人と人との間を見て、なんとか前進しようと試みていると、誰かの肘が肩口に強く当たった。にも関わらず、相手は謝りもせずに去っていく。やっぱり人が多いのは嫌いだ。

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