出会い編②

 コンクリートの階段を一段一段、踏み締めて下っていく。四階に着いた。

 『小泉さんは何というか、真面目、だよね』

 …三階だ。

 『また一人の世界に籠ってるよ、あいつ』

 …二階。

 『暗いよね。あの子』


 「……」


 一階だ。ここからA棟とD棟の間から団地を抜けて、嬉野中学校を目指す。別になんてことはない。私はただ学校に行くだけだ。

 蓮は、ほうっと息を吐くと、ポケットの中の両手をきつく握った。

 

 

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