−tea−
ごぜん
出会い編①
「行ってきます」
ドアの奥に呼びかけると、
今日から中学二年生だというのに、彼女の心は晴れなかった。
新しいクラス。新しい同級生。新しい先生。新しい席。そのどれもに「溶け込めない」という匂いがしていた。幼稚園からずっと、集団の中で上手に息をすることが蓮には難しかった。
まだまだ寒く、両手をパーカーのポケットに突っ込んで歩き出す。通学用にと入学前に買ったバックパックが背中にもたれかかってくる。そういえばこれを買った時も、今と同じような気持ちだった。
二年A組、二年B組、二年C組…
どのクラスになっても、どうせ同じことだった。
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