ただいま!第957話 レオの危機にあの人物見参!
更新大変お待たせして申し訳ございませんでした。仕事、引っ越し、資格試験等で更新が出来ませんでした。前に比べ頻度は落ちますが、また更新を再開します。
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創造神と神様の存在が消えたことを、すぐにヒルコとアリーシャは察した。
「創造神様と他の神様の気配が消えた......」
「創造神様が負けたってこと?どういう......え!?」
ヒルコがはじめに気付くと、アリーシャが別の何かに気付いて慌てだす。
「お母さんも気付きましたか?神界が崩壊していってるのを。でも、この場所が崩壊しないってことは、他の神様達は消滅したけど、創造神様の気配は消えてないから死んではいないと思います」
「そうね。あの創造神様が簡単には死ぬはずないわ。でも、神様があっさりと消滅するなんて......下界では、とんでもないことが起こっているようね。それで、私の息子は、これからどうするつもりなのかしら?」
神様達が消滅したことに驚きは感じているものの、創造神達が行おうとしていたことに遺憾を感じていたので、アリーシャとヒルコは、消滅したことに内心安堵していた。
「僕は、今が下界に下りるチャンスだと思っています。お母様も、一緒に下界へ下りてくれませんか?アレクの力になりたいのです」
「前にも言ったけども、無理矢理にでもついて行くわ。もう二度と息子を一人にしない。じゃあ、善は急げよ!行きましょう」
ヒルコとアリーシャは立ち上がると、手を繋いで、その場から消えたのだった。
◆
「神様が負けたのか......デストロイ、これは本当に不味いかもな」
「流石の俺様も同意見だ!レオの結界で休めているが、さっき感じた怪物が来やがったら終わりだろうぜ」
ノックスとデストロイは、レオと一緒に王都を守っていた。しかし、ひっきりなしにやってくる道化師に頭を抱えていた。しかも、遠く離れているとはいえ、現実離れした融合体まで出現したからだ。
「フフフ。道化師達は、本当に素晴らしい!そう思うだろ?ノーマック」
「そうですね。あの者達を、ここまで追い込むとは驚きを隠せません」
綺麗に整えられた長髪を後ろで結んでいるノーマックと第2王子であったカルロが、道化師達の前に姿を現した。
「カルロお兄様......」
結界を張っていたレオの目に、カルロの姿が写り動揺を隠せずにいた。
「少しは成長したかと思えば、相変わらず出来損ないのようだ。私の姿を見るや否や動揺で揺らぐとは」
カルロは、首を左右に振りながら、やれやれといった様子で、呆れていた。
「カルロ様からの伝言です。一撃で始末しろとおっしゃっておりました。黒一閃」
ノーマックは、いつの間にかレオの目の前におり、漆黒のオーラで纏われた腕を上げて黒一閃と呟くとレオ目掛けて手刀で突き刺してきた。
レオは、動揺と疲れから一瞬の隙を突かれ、いとも簡単に結界へ穴を開けられてしまう。そして、顔まで当たるか当たらないかの距離まで手刀が伸び、駄目だと思った瞬間、手刀が何故か止まった。
「おい!この手はなんだ?まさか、弟子に風穴でも空けようとしたわけじゃあないよな?」
レオの危機一髪を救ったのは、師匠であるヴァンドームであった。ヴァンドームは、漆黒のオーラを微動だにすることなく、腕を掴んで手刀を止めた。
「師匠!」
レオは、ヴァンドームを見るや否や目をキラキラさせて、絶望の淵から救われたと安堵し、目に希望の光が戻った。
「レオ、よく全員を守りながら耐えたな。あとは、俺に任せてゆっくり休んでいろ」
ヴァンドームは、目の前の光景を見るまでは、レオに喝を入れる言葉を言おうとしたが、道化師の数と大勢の人を守ろうとしたであろう結界の規模に、珍しく優しい言葉を言った。
「師匠......僕......頑張れました......か」
「限界か。そのまま安心して寝ていろ。こいつらは、俺が責任を持って始末してやろう」
レオは、目に光は戻ったのだが、ここまでの疲労の蓄積とヴァンドームの優しい言葉に緊張の糸が切れて、そのままヴァンドームの体にもたれかかるように倒れた。
「いつまで握っている気だ!離しやがれ」
ノーマックは、もう片方の腕を伸ばして、ヴァンドームの顔めがけて手刀の突きを放った。しかし、ヴァンドームは微動だにせず、気付いた時には、ノーマックは吹き飛ばされていたのだ。
「雑魚は、大人しくしていろ。それに、弟子を運んだら嫌と言うほど地獄を味合わせてる」
ヴァンドームは、レオを両手で抱えるとデストロイの前に行き、レオを受け渡した。
「お前らは、レオを連れてアレクと合流しろ。予想外の魔神が現れたからな。早急に消滅させろ。いいな」
「おい!待て!俺に命令......クソ野郎が!やりゃあいいんだろうが!ノックス、行くぞ」
「あぁ、邪魔になるだけだからな」
ヴァンドームは、伝えたいことを伝え終わると、足早に戦場へと戻った。そして、いつものようにデストロイは文句を垂れていたが、危機的状況が目の前に迫っているので、仕方なくヴァンドームの言うことを聞くのだった。
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