チート薬学4巻発売中!第956話 圧倒的な力と屈服!そして、消滅!

眩い光が辺りを包み、数十秒の間、神力が空間から消えることはなかった。しかし、突然として眩い光は消えて漆黒の闇に包まれた。


「危ない危ない。やはり恐ろしい方だ!下界で尚、私達魔神を滅ぼすだけの神力を有しているとは。だが、これは予想外だっただろう」


創造神は、おじいさんの姿に戻り、全力で神力を使ったので、片膝を突いていた。そして、創造神の前には、四つの鋭い角と3メートルは超えるであろう真っ黒な肉体を持った人物が立っていた。


「ワシが、見誤るとはのぅ。じゃがな、初めから言っておろう?お主らを倒しに来た訳ではない!この世界を一から作り変えに来たのじゃ!万物創......これは!?どうなっ......」


創造神は、この世界をリセットするため、万物創生と唱えようとしたが、言い終わる前に、首がガクンと下がって抜け殻のようになった。


「グッハハハ、我ら魔神を舐めているからこうなるのだ。全盛期の姿で使えばいいものを。創造神、手始めに大事な仲間の神達を殺せ」


「仰せのままに」


この魔神が誰かというと、総助と弦馬の融合体である。そして、融合体である魔神によって、弱った創造神はあっさりと乗っ取られてしまい、神殺しの命を受けて、聡明神達がいる場所に向かっていった。


「思い掛けない収穫だ。まさか、こうもあっさり創造神を操れるとは。欠陥のある切り札を使ってしまったが、余りある戦果と言える」


言葉の通り、融合体には何やら秘密があるようだ。しかし、その秘密を語ることはなかった。





創造神は、神達が待つ場所に着くと、残っていた道化師達を杖の一振りで葬り去った。


「創造神様〜!ご無事だったのですね......え!?どうい......」


創造神は、駆け寄ってきた精霊神の胸を拳で一突きし、神達の心臓の代わりとなる物を握りつぶした。


「精霊神......よくもよくも!俺の妻をぉぉぉぉ」


獣神は、一瞬何が起こったかわからないでいたが、徐々に思考が動き出し、凄い闘技を纏って創造神に襲い掛かった。


「なかなかの威力じゃが、今のワシには効かんのぅ。せめてもの情けじゃ、精霊神と同じ方法で殺してやろう」


獣神の拳は、創造神の顔面を的確に捉えたのだが、全くダメージはなく、あっさりと胸を貫かれて精霊神と同じように神力の源を握り潰された。


「創造神様が、魔神に支配された......そんなはずは......今は、そんなことより早く神界に戻って」


「創造神、まだ二人しか始末していなかったのか?老いぼれに頼んだのが、間違いだったか」


聡明神は、人生で初めて思考が停止した。だが、すぐさま正気に戻って、この場を切り抜ける術を考えるのだが、今までに感じたことのない禍々しいオーラの融合体が現れた瞬間、体の力が抜けてへたり込んだ。


「あ、あ、あ、あ、」


「まともに声も出せないか。ならば、死ぬがいい!同じ神の名を持つ者として一思いに殺してやる」


融合体は、体からどす黒いモヤを出すと、一瞬にして、声にならないほど怯えた聡明神を飲み込み消滅させた。


「魔神さ......ワシは、何故今魔神に様をつけようとしたんじゃ?」


創造神は、目の色が正気に戻り、自分が放った一言に疑問を持った。


「なんだ?まだ正気を保てるのか?流石は、創造神といったところか。ならば、こいつを授けるとしよう」


「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ......ワシに......ぐぁぁぁぁぁぁ」


融合体は、ゆっくりと戸惑いを見せている創造神に近付いて胸に手をやると何かを埋め込み始めた。


「融合した我の体から抽出した力を混ぜたコアだ!普通ならば、一瞬にして死にいたるが。フッ、思った通り成功のようだ」


創造神の胸には、赤黒い直径10センチほどの玉が埋め込まれていた。そして、創造神の体からは神力ではなく、真っ黒なモヤが溢れ出るのであった。

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