第119話 神の世界での出来事と復活!

アリーシャから渉に対して謝罪があった後、何故ここに来てしまったのか?下界で、どのようなことが起こっているのかなどを話し合った。その後、アレクと渉が2人で外へ遊びに行っているので、創造神とアリーシャが2人で話していた。


「創造神様、渉さんを救ってあげることは出来ないのですか?」


「救ってやりたいが、アリーシャも理解しておる通り下界には手を出せんのじゃ」


「その通りですが!渉さんに何かお礼をしないと気が済まないのです。どうにかなりませんか?」


バーナード家に対して、報いを受けさせて無念を晴らしてくれた渉に対して、何か助けになるようなことが出来ないか尋ねるアリーシャ。


「言いたいことは痛いほどわかるがのぅ...それが、神界の掟じゃわい。アリーシャが何をしようとしておるかは、手に取るように分かるが絶対してはならんぞい。息子を再度悲しませることになるんじゃからのぅ」


アリーシャは、もし渉が危機に瀕してしまったら、自らを犠牲にして救いに行こうと考えていた。しかし、助けたら罪として一生幽閉されるか消滅させられてしまう。そうなると、またアレクを一人残すことになる。そのような悲しませることをしてはいけないと創造神は諭すのであった。


「はい...」


「ワシは、アレク達の様子を見てくるのでのぅ。少し一人で考えてみるんじゃ。ワシらには、時間がたっぷりあるからのぅ」


ニコッと笑ってアレク達がいる外に向かう創造神。


外に行くと、渉がアレクに魔法を教えていた。なんだか、兄弟みたいで微笑ましいなと思う創造神。


「魔法の訓練かのぅ?」


「はい!僕は魔法が苦手だったので、渉さんに色々教わっています。ほら見てください。火球ファイアボールを撃てるようになりました」


「おっ!凄いのぅ。じゃが、魔力操作がなっておらんのぅ。火球ファイアボールにしてはありえん破壊力じゃわい」


湖に撃ち込んだ火球ファイアボールは、水を蒸発させて湖底に大きな穴を空けていた。だが、神の空間なので一瞬にして再生される。アレクは、「えへへ」とやっちゃいましたというように笑いながらも、初めてまともな魔法を行使できたことに喜ぶ。しかし、不思議に思う渉。


「何故、ここまでの威力の魔法を撃つことが出来るのに前世では使えなかったのですか?」


「簡単じゃ。ワシが、作り直して神力が備わった体にしたからじゃわい。まだ神見習いすらなっておらんから見た目は前世のアレクのままじゃし、名前もそのままじゃが、もし今後、神になる気があって修行を積めば見た目も名前も変化するぞい」


それを聞いた渉は、神の世界も面白いなと素直に思うのと同時に、現段階であの威力の魔法を放つことが出来ることにも驚く。


「僕は頑張って修行します。みんなに幸せを与えられるような神様になりたいです。創造神様に、ヒルコと名前をつけてもらいましたが、ヒルコが真名になるように頑張りたい」


「え?名前があったの?じゃあアレクいやヒルコならいい神様に絶対なれるよ。その時は、俺と大事な人達に祝福を与えてくれると嬉しいな」


「まだ仮の名前だから真名になったら言ってもらうように創造神様に頼んでいたのです。はい!祝福を与えられるような立派な神様になってみせます」


なんと神になる宣言をするアレク。ちょうど家から出てきて、それを聞いていたアリーシャは、息子の成長した姿に涙しながらアレクに抱きつくのであった。


「凄く成長したわね。母として嬉しいわ」


「お母様、恥ずかしいですから...」


顔を真っ赤にするアレクと絶対離さないという表情をするアリーシャのせめぎ合いが起こっていた。


それを見ていた創造神は、あることを思いつく。


「渉も一緒に修行をするというのはどうじゃ?ここなら思う存分壊してもすぐ再生しよるからのぅ。それと、魂が消滅する前に、ちゃんと送り返してやるから心配せんでも大丈夫じゃぞい」


「え?本当ですか?こちらから是非お願いしたいくらいですよ。創造神様ありがとうございます」


「渉さん、一緒に修行頑張りましょう」


2人は手を取り合ってジャンプしながら喜ぶのであった。アレクは、目の前の修行のことで頭がいっぱいで、下界では大騒ぎになっていることには気づかないでいた。




「アレクちゃ〜ん、なんでなんでアレクちゃんがこんなことに...」


「奥様、お腹の子に響きますから落ち着いて下さい。アレク様ならきっと目を覚ましますから」


カリーネは、毎日アレクに寄り添って声を掛け続けていた。しかし、新しい生命がお腹に宿っているので、精神的にお腹の子に影響がないか心配されているのだ。


「もう2年も目を覚ましていないのよ!2年よ...なんでなんで...今頃学校に通って友達と楽しい毎日を送っていたはずだわ!グスン」


それの言葉に対して専属メイドのネリーは見ていることしかできなかった。


「お母...さん...」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る