第117話 魂となったアレクが着いた場所!
アレクは、森の中にいた。鳥が
「あれ?俺は戦っていて...殴り飛ばして...ん?その後どうしたんだっけ?それにしても、ここはどこだろう?」
来たことも見たこともない場所に来ているにも関わらず、焦る気持ちすら湧かない。逆に落ち着く空間だなと思えるアレクであった。
「ふわぁぁぁ。なんだろ?この布団に入ったような安心できる何かに包まれているような気分は...」
歩きながら大きな
「なんじゃ?来てしもうたんか」
後ろから急に声が聞こえたので、驚いて体がビクンとなり、「わぁっ」と声を上げてしまう。
「すまんのぅ。驚かせてしまったかのぅ。じゃが何故、渉いや今はアレクじゃったな。アレクが、この場所におるんじゃ?」
綺麗な白いシルクで出来たような衣装に身を包んだ白髪頭で顎髭が長いお爺さんから、前世の名前と転生してからの名前を言われて驚く。
「え?何故名前を知っているのですか?それと、ここはどこですか?」
アレクの焦った様子に、顎髭を触りながら何かを納得したような表情になるお爺さん。
「そうじゃな。まずは、その説明をしてやらんと混乱するのぅ。ワシは、創造神じゃ。そして、ここはワシが作った空間じゃな。何故アレクが、この空間に来たのかはさっぱりわからんが、下界で何かあったのかのぅ?」
「創造神様ぁぁぁ!?いやいやそんなわけ...でもこの奇天烈な空間に、そのザ・神様チックな身なり...本物ですか!!」
「そうじゃ。まぁ立ち話もなんじゃな。茶でも飲みながら話してくれんか」
アレクは、本物の創造神に驚いて固まってしまう。それを見兼ねてか、家に招き入れて落ち着いてから話そうと言ってくれる創造神。
「こっちじゃ」と言う創造神について行くアレク。
家の中は普通で、どちらかと言えば前世に近い感じであった。アレクは、案内されるがままに席に座らされて、お茶と茶菓子を目の前に置かれる。
「さぁ〜茶と菓子を食べてとりあえず落ち着くんじゃ」
言われた通りにお茶を飲む。そのお茶に驚いて思わず「え!」と声を出す。
「緑茶ですか!?」
「地球の創造神に進められて飲んでみたんじゃが、うますぎて毎日飲むようになったんじゃ」
まさかの緑茶に驚いてしまったのだ。そして、久々の味に自然と笑顔が溢れるアレク。
「うむ。そろそろええかのぅ?下界で何があったんじゃ?」
「真っ黒い服を着て黒いオーラを放つ二人組が襲ってきました。俺は、無我夢中で戦ったのですが、途中から記憶がなくて...」
刺された辺りから記憶が途切れているアレクは、説明したくてもうまく説明出来ない。
「ちょっと待ってくれんかのぅ」
そう言うと目を瞑る創造神。そして、暫くすると目を開けて全てを納得したように頷く。
「よく死なずに生きておったのぅ。今は非常に珍しい状態じゃ。なんとか生き返ったはいいが、一度生死を彷徨った時に魂だけが離れてしまったんじゃ。偶々運良くここに来てよかったわい」
まさかの死にかけていたことに驚くアレク。しかも、魂の状態だったことに。
「じゃあ、この腕や足があるのはどうしてなのですか?」
「神界にも共通することじゃが、生前の肉体が勝手に形成されるように出来ておるんじゃよ。魂だけじゃと暮らしていくのに不便じゃろ?」
そう言うことかと納得する。それから気になるのは、あの敵は一体なんなのかと言うことだ。
「納得しました。ありがとうございます。あと、もう一つあるのですが、あの敵は何者なのですか?」
創造神は、すぐに言葉を発しようとはしない。何かを悩んでいるようだ。そして、暫くしてお茶を
「あれは...ルシファーが作った組織の一員じゃ。このような事態になっておるのは、ワシが悪いんじゃ。過去に神界で大罪を冒したルシファーを罰として消滅させたんじゃが、どうやら魂の一部を下界に逃したようなんじゃ。しかし、下界に手を出せんワシらにはどうしようもできん。それを、ルシファーはうまく利用しとるんじゃよ。ワシが逃したばかりに、アレクの仲間のノックスやオレール、それにその仲間達に取り返しのつかない迷惑をかけてしまったわい。そして、今もそうじゃ...本当にすまんのぅ」
創造神は、本当に申し訳ないというような表情をして話している。アレクは、黙って話を聞いているが、過去にそんなことがあって今も世界が危機に瀕していることを知ってどうにかしないといけないなと思うのだった。
「そんなことが...でも創造神様が悪いわけではなく、全てルシファーが悪いのです。ルシファーは、何を目的としてそんな組織を作ったのですか?」
「復活する為じゃよ。人間の恐怖やカルマという負のエネルギーを集めておるんじゃ。アレク達が狙われとるのは脅威と感じているからじゃ。ことごとく計画が潰されておるからのぅ」
創造神が話し終わると、ガチャっとドアの開く音が聞こえる。
「あれ?創造神様、お客様です...か。えっ...僕?」
「え?俺?」
アレクが振り返ると、そこにはアレクそっくりの人物が立っていたのだ。アレクもその人物もどういうこと?となるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます