第116話 ドーピングvsNO.5!薬でバフをかけまくれ!
ノックスとNO.3の戦いが始まった頃、アレク達の戦いも始まろうとしていた。
「アレクくん達で倒してみて下さい。デバフをかけるのでいい相手になるでしょう。攻撃力低下・防御力低下・素早さ低下・魔力低下」
杖をかざして、NO.5に向けて言うオレール。
「お前、俺に何しやがった?」
「ちょうど後輩のレベルアップに役立つと思いましてね」
それを聞いたNO.5は、怒り狂ってオレールに襲いかかる。オレールは、焦る様子もなく杖をかざして「
「アレクくん達は、今のうちに強化しちゃってください。スベアさんは、私と来て下さいね。貴女にはまだ荷が重いでしょうから」
そう言われて、アレクとパスクは30分間倍の力を手に入れられる強化薬を飲んで、マンテ爺に薬を飲ませて元の姿に戻す。
スベアは、荷が重いと言われたのは悔しいが、明らかに自分より何倍も強い相手だとわかるので、悔しいながらも素直に頷く。
「ん?あれはまずいですね。アレクくん、パスクくん、マンテ爺気合いを入れなさい」
何が起こったかというとNO.5から真っ黒いオーラが出て、オレールの
「てめぇら死にてぇようだな。ぐぉぉぉぉ」
雄叫びを上げて迫りくるNO.5に対して、最初に動いたのはパスクであった。炎の鎧とおやっさんに作ってもらった剣に炎を付与をしてNO.5に斬りかかる。しかし、簡単に躱されて、NO.5に蹴りを入れられて吹き飛ばされる。蹴りを入れて隙が出来ているであろうNO.5にマンテ爺が爪で攻撃をするが、見事に躱されて、マンテ爺も蹴りを入れられて吹き飛ばされる。そこにアレクが、
「痛いのぅ。なんじゃあやつは」
「アレク様、申し訳ございません。油断しました」
マンテ爺もパスクも、ダメージはなさそうだ。それにしても、
「こんなもんで、俺を止められるわけねぇだろ」
「どうしようか...勝てる気がしないんだよね。あれしかないか。パスクとマンテ爺...俺が時間を稼ぐから、二人はこれを飲んで最大の攻撃を撃ち込んでくれないかな?」
全員が狂人強化薬を飲めば勝てるかもしれないが、精神力が低いパスクが飲んだら見境なく襲う確率があるので飲ませることができない。
そして、パスクとマンテ爺に渡したのは、魔力100倍増幅薬である。もちろん、人間用と魔物用に分けて作ってある。アレクは、狂人強化薬を飲んで時間を稼ぐ準備をする。
「お待たせ。さっきみたいには行かないから覚悟しろよ」
強化薬の影響で精神力も上がっているので、一切狂人強化薬の影響を受けないアレク。
「おもしれぇ〜こいよ。これをどうにか出来るならな。
また無数の剣を宙に浮かべるNO.5。しかも、ルーヘンの時以上に数が多いのだ。
アレクは、おやっさんに作ってもらったガントレットをグイっと再度填め直して、素早い速さでNO.5に近付く。しかし、
「そんなもので止まるわけないだろうぉぉぉ」
「はぁはぁはぁはぁ。「アレク様、危ない!」ぐはぁ」
「痛てぇ〜な。だがよ、バカでよかったぜ。ちゃんと後ろも警戒しなきゃこうなるんだよ」
息を切らせていたアレクの後ろから、剣が2本飛んできてアレクの体に刺さる。アレクは、一瞬フラつくが再度NO.5に近付いて顔面→腹→胸と交互に殴る。
「ぐふぉブヘぶふぉなんで動けんだよ」
狂人強化薬のお陰で、痛みを感じないアレクは刺さりながらも攻撃している。そして、NO.5も連戦の影響で黒いオーラが段々小さくなる。少なからず消耗はしているようである。その影響で、先程の
「アレク様、離れてください」
パスクとマンテ爺は、最大魔法の詠唱と魔力を最大まで込めることに成功したようだ。アレクを巻き込まないようにしようと離れるように言う。
それを聞いたアレクは、魔拳と武功を使って最大の力でNO.5を天高く殴り飛ばしてぶっ倒れるアレク。
「ぐはぁクソ〜許さねぇ許さねぇ」
NO.5は、再度黒いオーラを出して傷を再生させる。パスクとマンテ爺は、すでに最大の魔法をNO.5に目掛けて放っているが、このままだと避けられてしまうだろう。
「もう終わりにしましょう。アレクくんの頑張りを無駄には出来ませんからね。
オレールが、NO.5の後ろで囁く。そして、
「ぐわぁぁぁぁぁクソ〜このままじゃ終わらねぇからなぁぁぁ」
その最後の言葉も虚しく飲み込まれたNO.5は見事に消滅する。一緒に飲み込まれたかのように見えたオレールがどうなったかというと。
「アレクくん大丈夫ですか?これをすぐ飲んで下さい」
短距離転移で回避してアレクを救いに行っていたのだ。だが、アレクは目を覚まそうとしない。しかも、NO.5が死んだからか、剣も消えて血が吹き出している。
「仕方ありませんね。このままなら死んでしまいますし」
そう言うとアレクに口移しでエクストラポーションを飲ませるオレール。そして、無事傷口は治っている。しかし、一向に目を覚ます気配のないアレクであった。
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