第112話 ストレン領が襲われる!ルーヘンとあの人物が共闘!

あれから早くも2日が経ち、ヨゼフの指示で、もし襲われた場合の避難誘導をする私兵と騎士団と戦闘に参加する私兵と騎士団を分けて命令書が通達がされた。その中で、避難誘導をするグループは街の警備をしながら、いつでも対応ができるように巡回をして、それ以外の私兵と騎士団は、一緒に訓練場で汗を流していた。


「なんだか嫌な予感がするんだよね...」


ふと、不安なことを口にするルーヘン。


「やめてくださいよ。絶対何か起こるじゃないですか。すぐに指示を出して...なんだ!?」


ルーヘンが不安なことを口にした瞬間、ヘリオスの言葉を遮るような大きな爆発音が聞こえた。


「嫌な予感が当たったよ」


「何を言っているんですか!団長は屋敷を頼みます。私は爆発音があった所に向かいます」


すでに、何かあった時の指示はされているので、避難誘導組のリーダーが手順に則り、避難指示をしているだろうと信用してヘリオスは、団員を連れて自分達がやるべきことに集中するのであった。


「ロイス団長、私兵を連れて屋敷内の全員を避難させてね。僕と騎士団は中庭で、来るであろう敵を相手にするから」


「はい!手筈通り全員を避難させます。ルーヘン騎士団団長殿あとは頼みます」


ロイスは、私兵を連れて全員を避難させる為に、屋敷に戻る。


「これはまずいね...」


ルーヘンの言葉通り、あちこちで爆発音が聞こえたり、悲鳴や戦っているであろう音が聞こえる。


「あれ?君はだれかなぁ?」


ルーヘンが、思っていた以上の事態が起こっているなと思っていると空から声がする。見上げてみると黒いローブと仮面をつけた二人組がいた。


「僕は王国第3騎士団団長のルーヘンだよ。君たちは誰かな?」


屋敷の全員が避難できるように少しでも時間を稼ごうと考えるルーヘン。


「騎士団だって。敵が増えちゃったよ。NO.5の言う通り早く来たらよかったね」


「だから言ったじゃねぇか!だが、悪くねぇ。あいつ相当つぇーぞ。俺に殺らせろ」


ルーヘンの話を一切聞いていないのか、NO.3とNO.5が二人で話し始める。そしてNO.5は、ルーヘンが強いことを見抜き標的に定めるのであった。


「う〜ん!?まぁ僕には大剣がいるから譲るけど見渡す限り大剣の姿がないね。屋敷を壊したら出てくるのかな?轟炎槍グレイトフレイムランス


炎槍フレイムランスよりも激しい炎を身に纏った炎の槍が屋敷へと飛んで行く。いきなりのことでルーヘンは止めることができない。すると、紫の稲妻を帯びた人物が轟炎槍グレイトフレイムランスを蹴りだけで消失させる。


「ルーヘン様、お待たせ致しました。そこの御仁は私が相手をしましょう」


このピンチに現れたのは、セバスであった。

身体強化と疾風迅雷ライトニングストームで力と素早さを上げて轟炎槍グレイトフレイムランスを打ち消したのだ。若返ったお陰か、前よりも動きが機敏で紫の稲妻も激しさを増している。


「セバスさん、助かるよ。じゃあ僕はあの背の高い方を相手しようかな。君たちは街の鎮圧に向かってくれないかな?君たちには荷が重いからね」


少し悔しそうな顔をする団員達だが、団長の指示には逆らえないのと、明らかに自分達では歯が立たないことは、目に見えているので街に向かう。


「逃がすわけねぇだろ。爆発エクスプロード


爆発エクスプロードと発せられた直後、街に向かおうとした団員は爆発する。これは、指定した範囲を爆発させる魔法なのだ。


「残念だったな。お前の仲間は...」


「ん?どうしたんだい?その後を聞かせてくれよ」


爆発して跡形もなくなっていると思っていたが、何もなかったかのように全員無傷なのである。


「NO.5の攻撃塞がれてるよ。しかも、逃しちゃったし。アッハハハ。ぐへぇ」


「うっせぇな。ってお前もやられてるじゃねぇか」


大笑いしているNO.3を容赦なく殴り飛ばすセバス。しかも、空まで跳躍して殴り飛ばすという化け物地味たことをするのであった。


「痛テテテ...急に殴るなんて卑怯じゃないかぁぁぁ」


殴り飛ばされて地面が抉れ、仮面が砕ける程の衝撃を受けたにも関わらず平然と立ち上がるNO.3。


「あまりにも隙だらけで、ずっと空中におられても困りましたからね。それにしても、少年だったとは驚きました」


「アッハハハ!あぁぁだめだよ。大剣使いまでは我慢しようと思ったのに。もう抑えられたいよぉぉぉ」


どうしたのかわからないが、急に人格がおかしくなるNO.3。同時に、NO.3から黒いモヤが立ち込める。次の瞬間、有り得ない速さでセバスの目の前に行き「絶対零度アブソリュートゼロ」と言う。すると、一瞬にしてセバスの全身が凍り付く。


「はぁ〜もう終わりかな?つまらないの〜じゃあ壊して終わりにしちゃおっと」


NO.3は、蹴り飛ばして粉々にする。しかし、後ろから声が聞こえる。


「勝手に終わりにしないで下さい。まだまだ始まったばかりではないですか!私も久々に楽しめる相手と出会い心が踊っているのですから」


粉々にされたにも関わらず、なんとセバスは生きていたのだ。


「アッハハハ。あぁ〜凄いよ。どうやって逃げたの?教えてよ」


「もう一度、同じことをして自分で解明してください。答えがわかったらおもしろくないでしょ?」


正直この時、セバスは焦っていたのだ。これ以上、速くなると手に負えなくなると。だが、負けるわけにはいかないので、どうやって無力化しようかと頭をフル回転させるのであった。

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