3.章タイトルについて

 これは最初にお断りしたいことがあって、本当は作中で触れる予定だったんですが、上手いこと組み込めなかったので、結局触れずに話が終わってしまったという悲しい?経緯があったんですよね。ひとえに筆者の力不足です。申し訳ない。なので、作品外で解説するという、お粗末なことをします。


 実は、結論から言うと、1~4章まで一続きの文言でありまして、これが何かと言うと、みふぎさんが黒を祓うときのトランス用の呪文だったんですよね。作中では聞こえるか聞こえないかのぎりぎりで呟いているので、あっくんには聞こえていません。あくまであっくんの視点で話が展開してますので、あっくんが知らないことは触れられません。なので出てきてません。


 ちなみに、知ってるのは、世話役の時寧さんと自称同業者のシャオレーだけです。時寧さんは直接みふぎさんに「あれって何てゆってるの?」て聞いたんでしょうし、シャオレーは実際に何を言ってるのか祓っている場面で自力で聞きとったんでしょうね。勿論、みふぎさんのオリジナルです。みふぎさんの母が使っていたものも存在するんでしょうけど、祓うときの呪文ならいざ知らず、トランス用の呪文なので、自分用に作ったほうがトランス状態に持っていきやすいでしょうし、敢えてそこまで受け継ぐ必要はないですしね。


 個別に順番に見ていきましょう。


第1章 来る(う)な止まれ


 初期ですと、(う)がなかったんですが、(う)を含めるだけで、「来るな」と「狂うな」のダブルの意味合いになるので、(う)を追加して含みを持たせました。黒に対して言っているというよりは、自分に対して暗示をかけているんでしょうかね。あ、いや、黒に「来るな」と言って、自分には「狂うな」と言っているとしても面白いですかね。「止まれ」というか、この文言全体ですけど、「クナト」という言葉があるんですが、漢字で「岐神」と書きます。これは、某シドニアに出ていた岐神建設の御曹司の彼ではなく、「来な処」すなわち「きてはならない所」という意味で、もとは村の分岐点、峠、村境などで、外からの外敵や怨霊の侵入をふせぐ神だそうです(Wikipedia調べ)。つまり、トランス呪文の起点に、黒が拡大するのを防衛する門番の意味を込めました。

また、「岐神」の「岐」があっくんの名字にも入っていたのは、いい方向での偶然でしたね。

 

第2章 否定でなく中枢でなく

 みふぎさんの名字です。「納」を音が同じ「NO」と「脳」に読み替えました。前者は否定で、後者が中枢というわけです。でも名字は「納」なので、「否定」でもなければ、「中枢」でもない、という言葉遊びですね。


第3章 水のやうに封じ

 これもみふぎさんの名前です。「水」と「封」をそのまま文章にしました。「ように」を敢えて「やうに」と旧かなに変えたのは、字面がよかったので。


第4章 儀式はここに

 みふぎさんの名前の残りの部分、「儀」です。トランスが成れば、儀式(黒祓い)ができるので結語としてはまとまっているはず。

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