2.タイトルについて(補記予定)
祓う方法があんな感じなので、水に関係する、かつ祓う云々を意味か文字面に絡めたかったんですが、どうにも上手くいかず。いろいろ調べたんですけどね、どうにもしっくりこない。
意味や文字面から攻めると駄目ぽかったので、いっそ音で水を表せないかと考えまして。あまりに浮かばなすぎて若干血迷ってたのもあるかもしれませんがね。
筆者の構想順として、まずタイトル→新キャラ命名、新キャラ構想→章タイトルなので、タイトルが浮かばないと先に進めないんですよね。後回しにすれば?とお思いの方もいらっしゃるかと思うんですが、最初にタイトルを決めると、ストーリィもキャラもあらゆるものが最終的にタイトルに向かうというか、タイトルを作品の中心に据えられるんですよ。最終的にタイトルの元に集う、的なことが起こって来るんです。なのでこの順番を守りたかった。
ただ、本作に関しては、新キャラの祓い巫女が超重要キャラだったので、彼女の名前が上手いこと嵌まらないと作品も魅力が半減するぞという謎の確信があったので、もしかすると章タイトルと同時進行だったかもしれませんね。実はいつも残ってるはずの創作メモが真っ白で、ぶっちゃけ思い出せないんですが、ホントに脳内だけでぐるぐる考えてたんでしょうね。
ちなみに、最初期のタイトル案は、「たふ・デスぷ」でした。意味はたぶんあんまりないかなと。
本当は「たふ」と書いて、「とう」と読ませたかったんですが、「たふ」と書いたらそのまま「たふ」(タフ)と読むしかないし、平仮名にふり仮名を振るものややこしいので、もういっそ最初から「とう」にしようかとも思ったんですが、字面的に納得行かなかったのか、なんなのか、最終的に「タウ」になりましたね。なので、完全に読んだときの音先行です。実は、ギリシア文字の「タウ」は全然関係ないかと。
「デスぷ」は、意味を聞かれるとまたこれも困るんですが、「デス」つまり死を入れたかったんだと思います。ただ、最初期のタイトル案をもう一度見てほしいんですが、あのままだと「タフです・ぷ」と読めなくもなくなって、得体の知れないホラー感から遠ざかってしまうので、ううん、と頭を捻りまして、文字をちょいっと入れ替えて「デプス」にしました。全部カタカナにしたので、それなりに緊張感もあるかなと。デプスは英語で深さという意味だし、深海(ディープシー)のディープとも音が似てるし、水と関連してそうで、まあいいかなと。
最終的になんでこうなったのかはよくわかりませんが、以前書いたホラーの『うきまだり』と五文字つながりで関連してなくもないので、そこのセルフオマージュもあったかもしれませんね。
あと、タイトルをいろいろ考えてたときに調べ物をしていて、面白いシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)があったので併せてご紹介をば。「デスプ」か「デプス」かどっちにしようかぐるぐる悩んでたときのことです。カトリーヌ・デスプさんというフランス人の女性が、『女のタオイスム』という本を書いていらっしゃいまして。いや、完全な偶然なんですよ。みふぎさんの祓う方法論があれなので、そっち方面を調べていたら、偶然見つけまして。本の内容も然ることながら、名前が「デスプ」さんという。手に入るなら買ってしまおうかと思ったくらいです。確か絶版だったかで、電子書籍しかなかったんだったかな。入手を諦めた経緯は確か紙の本がなかったからだったかと。奇妙な偶然もあるんだなあとビックリした次第です。で、お名前と同じにしてはアレだろうと、そういう意味でも「デプス」が採用になったんだったかと。
以上の紆余曲折があって『タウ・デプス』に落ち着いたわけですが、読み心地が本当に「水」という感じで。水という言葉を使わずに、水を表せているのでは?と、個人的にだいぶ気に入っています。タウとデプスの間の中点も、入れようかどうしようか悩みましたが、タウとデプスがそれぞれ独立した文字列だということが視覚的にわかりやすくなってるので、結果として中点を入れてよかったと思っています。
『こがね』みたいに長い文章形式タイトルも好きなんですが、『タウ』みたいにぎりぎり意味があるようなないような文字列で攻めるのも好みです。
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