タウ・デプス深水の巫女 裏話暫定版

伏潮朱遺

1.着想について

『タウ・デプス 深水の巫女』 裏話(暫定版)


※本作(『タウ・デプス 深水の巫女』のこと)のネタバレしかないです。本作を読んでる前提で話をしてます。未読の方はご注意を。

※家楼シリーズ『こがね月夜に雪と散らん、桜と降らん』(以下『こがね』と略)のネタバレもあります。


 続編を予定してますので、そっちのネタバレにならない程度に、いまここで明かせる裏話を書きたいと思います。いつもの裏話シリーズよりはぶっちゃけが少ないかと思いますが、続編が終わりましたら全ネタバレしますので一応暫定版ということでご容赦を。


 構成は以下のいつものお馴染みのトピックスでやります。続編が終わったら、いつものオーコメ風の全内容解説もする予定です。


1.着想について

2.タイトルについて

3.章タイトルについて

4.命名について

5.続編について

6.脳内主題歌について





1.着想について


 時間軸として、いままさに書いてる途中の『こがね』の直前までの空白の期間を埋める意味合いもあり、そろそろホラーを書いておきたいという内部欲求もあり、そのためにいろいろ妄想してた折に、あっくんの母親の会社が不動産屋なので、事故物件の処理とかどうしてるんだろうとか気になって参りまして。いや、フツーはお払いして、専門の清掃が入るだけなんだと思いますが、ちょっとフィクションに寄せつつ、もしかしたらこっそりそんなことも行われているかも、というぎりぎりを狙いました。


 ホラーがどうとか言ってる割に、筆者がホラー苦手だったりするので、ちょっと前にブームのあった「芸人が事故物件に住む」的な本とか映画とかは見れてないんですが、事故物件特集をしてる動画とかたくさん見ました。見過ぎたせいで一時期某動画サイトのおススメが事故物件だらけになってて「あーあ」という感じでしたね。で、見て思ったんですが、現象を取り上げてる作品は多いので、そこと差別化を図るかつ、筆者が書いてて怖くないようにするために、祓う側の仕事を主軸に据えて書いたほうがよさそうだと方向転換しました。そのために生み出された自称祓い巫女がみふぎさんです。みふぎさん他新キャラの命名については次章で取り上げます。


 という流れがあったので、事故物件の詳細というか、そこで何があったとか、どんな怪奇現象があるだとか、そっち方面を目的で読まれた方がいたら、申し訳なかったと思います。怖くて書けなかったというのがなんとも情けない本音です。


 話を本作内の時間軸に戻しますが、あっくんの過去バナが書きたかったんですよね。実はスピンオフというか、パラレルで2作ほどあっくんの過去バナというか、不動産会社(KRE)と宗教団体(白竜胆会)との関係を取り上げてるんですが、そのどちらも本作とは別の設定を元にした、あくまでイフのストーリィなので、じゃあちゃんとした家楼の本筋にのっとった話はないのかと、ここいらで書いておいてもよいだろうという気持ちもありましてね。家楼シリーズ主役のヨシツネさんの過去や周辺はやり尽くしたと言っても過言ではないほど書きましたので、他のキャラにスポットを当てたいという思いもあり、『こがね』を書いているのもありますので、『こがね』で触れられない、『こがね』以前の内容をここでやっておきましょうと思いまして、本作が生まれました。


 『こがね』と『タウ』をほぼ同時期に書き始めたのは、『タウ』の終わりがそのまま『こがね』につながるように、実は地続きの話だったと、『タウ』を読み終わったときに気づいてもらって、『こがね』がそのまま展開していくという流れを想定してたんです。なので、敢えて2作同時に急に立ち上がってたというわけでして。家楼最終話も終わってないのに、なんで急に新作増やしてるんだよと思われた方には、このあたりの裏事情があったのだといまやっと説明ができます。


 というのも、『タウ』自体が、これ単体の話(新シリーズ?)なのか、それともどこかのシリーズに属する補完話なのか、完全に伏せた状態で始めたので。不親切だったかも知れませんが、読み進めるごとにヒントも意図して散りばめたりもしてましたので、お気づきの方は相当に早く結論に至っていたかもしれませんね。あっくんの正体とかは、伯母に「サネ君」と呼ばせると一発でバレるので、愛称をギリギリばれないものに変更する必要がありました。手口としては、森博嗣先生の『Vシリーズ』のへっ君あたりをオマージュしてます。四文字名前の後半2文字を愛称に使う当たりとか参考にしてたかもです。かも、と書いたのは無意識だったからですね。あとになってよくよく考えたら、へっ君と同じ方法を使ってるなと自分で気づいたわけです。


 家楼だとわかる伏線も、完全ネタバレ版裏話でがっつり解説できるといいですね。てゆうか、します。筆者の手の内はバラしてなんぼだと思ってますし、このとき筆者が何を考えてたのかとか、可能な限りオープンにして共有したいという思いがありますので、ご興味がある方は気軽にのぞいていただければと思っております。

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