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アヤとタヌ助、それにサキは、言葉巧みに、白いメスの狐であるナシャから、色々な情報を聞き出した。

ナシャの身長、体重、3サイズ、好きな食べ物などなど。

殆どの情報を、まるで優秀なエージェントであるかのように。


それが終わると、タヌ助はアヤの携帯端末を借りて、ナシャの写真を撮った。

「はい、ナシャさん、今度はお湯に足を浸けて、胸に手を当てて下さい。

次は、肩を出して、そう、それでこっちを向いて下さい。」

そう言いながら、パシャパシャとナシャの写真を撮った。

「ナシャさん、ありがとうございました。」

タヌ助が丁寧に礼を言った。

「いいえ、こんな事で、弟たちを許して貰えるのでしたら。」

ナシャが笑顔で言った。

タヌ助、アヤ、サキは顔を見合わせニヤリと笑うと、小さくガッツポーズをした。


「それでは、キクナさん、偶には家に帰って下さいね。

お父さんやお母さん、それにおじい様も、とても心配していると思いますから。」

タヌ助は、タヌキのキクナを見ながら、笑顔で言った。

「そうですね、そしたら、あしたにでも、一度家に帰ってみます。」

キクナがタヌ助を見ながら言った。


その日の夜、旅館の部屋の中で寝る前に、タヌ助はアヤとサキに、大きくなって欲しいと頼まれた。

「タヌ助、大きく成って貰っても良い?

わたし、大きな縫いぐるみを抱っこしながら寝るって、夢だったんだ。」

アヤが顔を赤くしながら、笑顔で言った。

「そうそう、蹴ったり、叩いたりしても、安心だもんね。」

サキはニヤリと笑いながら言った。

「でも、どうせ変身するなら、イケメンの方が良くないですか?」

タヌ助はそう言うと、以前に変身したことのある、映画俳優の『宮桜』に変身した。


「ダメダメ、そんなイケメン姿で近くにいたら、気になって眠れなくなるでしょ。」

アヤが、赤い顔で言った。

「そうですか?」

そう言うと、タヌ助はクルリと後ろに回り、元の姿に戻ると、体を大きくした。

「そう、これこれ。

これが良いのよ。」

アヤはそう言うと、ギュっとタヌ助に抱き着いた。

「そうだね。

これなら、安心して、思いっきり蹴れそうよ。」

サキはそう言うと、軽くタヌ助のお腹を叩いた。


「キャラ的には、国民的超有名キャラに似ていて問題ありそうですが、お二人に気に入って貰えるのでしたら。」

タヌ助はそう言うと、アヤとサキの布団の間にゴロリと横になった。

「タヌ助、今日もありがとう。

おやすみ。」

アヤが、タヌ助の体に頬ずりしながら言った。

「おやすみ、タヌ助。」

サキも、タヌ助の体をギュっと掴み言った。

「おやすみなさい。」

タヌ助はそう言うと、とても嬉しく、満足そうな顔をした。


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