13
アヤとタヌ助、それにサキは、言葉巧みに、白いメスの狐であるナシャから、色々な情報を聞き出した。
ナシャの身長、体重、3サイズ、好きな食べ物などなど。
殆どの情報を、まるで優秀なエージェントであるかのように。
それが終わると、タヌ助はアヤの携帯端末を借りて、ナシャの写真を撮った。
「はい、ナシャさん、今度はお湯に足を浸けて、胸に手を当てて下さい。
次は、肩を出して、そう、それでこっちを向いて下さい。」
そう言いながら、パシャパシャとナシャの写真を撮った。
「ナシャさん、ありがとうございました。」
タヌ助が丁寧に礼を言った。
「いいえ、こんな事で、弟たちを許して貰えるのでしたら。」
ナシャが笑顔で言った。
タヌ助、アヤ、サキは顔を見合わせニヤリと笑うと、小さくガッツポーズをした。
「それでは、キクナさん、偶には家に帰って下さいね。
お父さんやお母さん、それにおじい様も、とても心配していると思いますから。」
タヌ助は、タヌキのキクナを見ながら、笑顔で言った。
「そうですね、そしたら、あしたにでも、一度家に帰ってみます。」
キクナがタヌ助を見ながら言った。
その日の夜、旅館の部屋の中で寝る前に、タヌ助はアヤとサキに、大きくなって欲しいと頼まれた。
「タヌ助、大きく成って貰っても良い?
わたし、大きな縫いぐるみを抱っこしながら寝るって、夢だったんだ。」
アヤが顔を赤くしながら、笑顔で言った。
「そうそう、蹴ったり、叩いたりしても、安心だもんね。」
サキはニヤリと笑いながら言った。
「でも、どうせ変身するなら、イケメンの方が良くないですか?」
タヌ助はそう言うと、以前に変身したことのある、映画俳優の『宮桜』に変身した。
「ダメダメ、そんなイケメン姿で近くにいたら、気になって眠れなくなるでしょ。」
アヤが、赤い顔で言った。
「そうですか?」
そう言うと、タヌ助はクルリと後ろに回り、元の姿に戻ると、体を大きくした。
「そう、これこれ。
これが良いのよ。」
アヤはそう言うと、ギュっとタヌ助に抱き着いた。
「そうだね。
これなら、安心して、思いっきり蹴れそうよ。」
サキはそう言うと、軽くタヌ助のお腹を叩いた。
「キャラ的には、国民的超有名キャラに似ていて問題ありそうですが、お二人に気に入って貰えるのでしたら。」
タヌ助はそう言うと、アヤとサキの布団の間にゴロリと横になった。
「タヌ助、今日もありがとう。
おやすみ。」
アヤが、タヌ助の体に頬ずりしながら言った。
「おやすみ、タヌ助。」
サキも、タヌ助の体をギュっと掴み言った。
「おやすみなさい。」
タヌ助はそう言うと、とても嬉しく、満足そうな顔をした。
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